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【社会】

臍帯血2100人分廃棄せず 民間バンク、契約終了後

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 個人の臍帯血(さいたいけつ)を有料保管する民間バンクで、契約終了後も廃棄処分せずに保管し続けている臍帯血が五社で計約二千百人分あることが、厚生労働省の緊急調査で分かった。厚労省は「契約が不適切だ」と指摘。自由診療クリニックで効果が明確でない高額な治療に使われる恐れがあることから、民間バンクに業務内容を届け出るよう指示、規制を強化した。

 加藤勝信厚労相は閣議後会見で「こうした取り組みを再生医療の信頼回復につなげたい」と述べた。

 調査は、経営破綻した民間バンクから流出した臍帯血が、全国の民間クリニックで無届け投与される事件が起きたのを受けて実施した。この結果、国内に民間バンクが七社あり、うち五社に契約者らが将来の病気の治療に使うことを目的に保管されている臍帯血が約四万三千七百人分あることが判明。契約が終了したにもかかわらず、約二千百人分が廃棄処分されずに保管されていることも分かった。第三者に提供していた社もあった。

 記録の管理体制が不十分で、安全性を確認できない例も多かった。

 厚労省は「契約者の意思に基づかない提供がされる可能性がある」と問題視。実態を改善するために業務の届け出を求め、内容を同省のウェブサイトで開示する。契約終了時には、本人への返還か廃棄を原則とする契約書のひな型も提示する。また新たな専門家委員会を設置し、届け出が適切に行われているかを継続的に検証する。

 対策は法的根拠に基づくものではないが、バンクの数が限られているので個別に対応することで実効性を持たせることが可能と判断した。調査で、社名の公表に同意したのは、ステムセル研究所(東京都)、アイル(東京都)、ときわメディックスの三社。残りの三社は公表を拒否し、一社は調査に協力しなかった。

<臍帯血バンク> 臍帯血(さいたいけつ)は赤ちゃんのへその緒や胎盤から採取される血液。白血病の治療などに使われ、第三者への提供が目的の「公的バンク」や、将来、新生児本人や家族が病気になったときの治療用に「民間バンク」で保存されている。他人の臍帯血を無届けで移植したとして、医師ら6人が8月に逮捕された事件では、破綻した民間バンクから流出した臍帯血が、効果が不透明ながん治療などに使われたとされる。

 

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