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【社会】

仮設の生活 VRで「体験」 福島映像祭 3・11 6年半被災者を知る

特別企画で体験できる福島県南相馬市立小高中学校の仮設校舎での生徒たちを活写したVRの一場面=アワー・プラネット・ティービー提供

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 東京電力福島第一原発事故後の福島を伝える映画やテレビ番組、市民による映像を集めた「福島映像祭2017」が十六日から、東京都中野区などで開かれる。事故から六年半。五回目の今年は特別企画を予定しており、「体験」がキーワードの一つ。避難先や福島で人々はどう生きてきたのか。バーチャルリアリティー(VR)で、南相馬市立小高(おだか)中学校の仮設校舎を体験したり、仮設住宅の被災者に「取材」もできたりする。 (片山夏子)

 「おはよう!」「おはようございます」。VR用のゴーグル型の装備を着けるといきなり、仮設校舎の前に飛ぶ。目の前に次々と登校してくる生徒たち。国語の授業、給食の時間…。生徒たちの映像と音で、一緒に授業を受けているような錯覚を覚える。

 VRは、主催するNPO法人アワー・プラネット・ティービー(千代田区、アワプラ)が事故後、仮設校舎に移った生徒たちへの取材を基に作成した。避難解除で今年四月に生徒らが本校舎に戻る前に、三六〇度全ての空間を撮影するカメラを使って記録。映像と音で、誰もが仮設校舎を「訪問」できるようにした。

 仮設住宅での「取材」は、ゲーム方式で、オランダの研究者らが実際に被災者を取材して作ったもの。ゴーグル内の映像を見ながらリモコンを操作し、映像内の写真や手紙を手に取ると、被災者の体験を聞くことができる。「取材」した内容は最後に印刷されて渡される。

 映像祭は、福島原発事故の風化にあらがおうと二〇一三年から毎年実施。今回は、福島県沿岸部で津波によって行方不明になった幼い子どもたちを捜し続ける父親らを、五年半かけて追った映画「Life 生きてゆく」(笠井千晶監督)など六作品を上映。市民部門「わたしが伝える福島」では、埼玉県で給食調理員をしている女性が、同県内に避難してきた双葉町の人たちを追った作品などを上映する。監督が思いを語るトークセッションもある。

 アワプラの高木祥衣(さちえ)さん(36)は「時間がたったからこそ、重い口を開いて語り始めた人もいる。映像を通して語られる現実は生々しい。今年は体験もできるので、福島の多様な側面を見てほしい」と話している。

 映像祭はポレポレ東中野で二十二日まで。入場料は一般千五百円(学生など割引あり)など。仮設校舎や仮設住宅体験は無料で二十九日〜十月一日まで千代田区のギャラリー「イイブリッジ」で。問い合わせはアワプラ=電03(3296)2720=へ。

 

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