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【社会】

児童ポルノ摘発 最多1142件 4割「自画撮り」被害

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 全国の警察が今年一〜六月に摘発した児童ポルノ事件は、前年同期より百二十三件多い千百四十二件で、統計を始めた二〇〇〇年以降、過去最多となったことが二十一日、警察庁のまとめで分かった。摘発人数も七百七十六人で過去最多。被害児童は五百九十四人に上り、相手にだまされたり脅されたりして裸の画像を送らされ、インターネット上に暴露される「自画(じが)撮り」の被害が四割を占めた。

 十八歳未満で自画撮り被害に遭ったのは、前年同期より二十五人多い二百六十三人。中学生が百三十九人で過半数を占め、高校生は百一人(38・4%)、小学生は十七人(6・5%)。最年少は北海道の女児(9つ)だった。

 加害者とは面識がなかったケースが八割以上。このうち、九割はネットの会員制交流サイト(SNS)を通じて知り合っており、警察庁は「同世代の少女や友人のふりをして会話し、弱みを握った上で画像を送るように強要する」とみている。

 児童ポルノ事件の摘発では、画像を撮影・入手する製造容疑が六割を超える七百二十四件で、三年連続で増えた。一五年から罰則の対象となった単純所持容疑は、前年同期より十件多い二十七件。画像を不特定多数の人に販売したり、ネットの掲示板に公開したりする提供・公然陳列容疑は三百八十七件だった。

 このほか、児童虐待容疑で警察から児童相談所に通告した児童数が初めて三万人を超え、上半期の統計を取り始めた一一年以降、六年連続で増えた。このうち約七割は、児童の目の前で暴力などを振るう心理的虐待容疑だった。

◆半数超は中学生 弱み付け込まれ

 十八歳未満の未成年が、自分のわいせつな画像を送らされる「自画撮り」被害は、警察庁が統計を取り始めた二〇一二年から右肩上がりで増えている。インターネット上の見えない相手に「一人でいるの?」「写真に撮って送れる?」と巧みに誘導されて写真を送り、心に傷を負う少女らは後を絶たない。

 警察庁によると、ツイッターなどのSNSで知り合った相手と、一度も会わないまま趣味や好きなタレントの話題で意気投合し、恋愛感情が芽生えたころに、相手が「写真を送って」と要求。断ると「友達関係を断ち切る」と、さらに過激な写真を求める。

 悩みや困り事といった個人情報を聞き出し、脅しの材料にすることもある。

 SNS上では、中年の男が若いモデルの写真を使うなど、大半は身分や性別を偽装。自画撮り画像を送ってしまった弱みに付け込み、少女らにわいせつな行為をさせるケースもあった。

 十〜二十代の女性を支援するNPO法人「BONDプロジェクト」(東京)の橘ジュン代表は「少女らは寂しさもあって、相手に必要とされていると思って応じてしまう」と指摘。被害を相談してきた少女らに、自画撮りに応じた理由を聞くと「相手との雰囲気を壊したくなかった」という声もあったという。

 児童買春・ポルノ禁止法では、自画撮り画像を入手し、パソコンなどに保存する行為は禁止されているが、画像を求める行為への規制はない。東京都では、自画撮りを勧誘する行為を罰則付きで規制するため、都青少年健全育成条例の改正を目指している。

 警察庁は、中高生へのスマートフォンの普及が被害の増加につながっているとみて、「ネットに個人情報を出すことが、どれほど怖いのかを知ってほしい。学校や保護者に情報提供して、被害を防ぎたい」としている。 (神田要一)

 

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