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【社会】

原発事故 被災者の心の傷深く 茨城に避難の2割「最近自殺考えた」

 二〇一一年の東京電力福島第一原発事故で福島県から隣接する茨城県に避難した人を対象に昨年末に実施したアンケートで、二割が「最近自殺したいと思ったことがある」と回答したとの結果を筑波大や茨城県、避難者支援団体「ふうあいねっと」などのチームがまとめた。

 回答者の四割近くに心的外傷後ストレス障害(PTSD)の疑いもあり、東日本大震災と原発事故による心の傷の深さがあらためて浮き彫りとなった。

 事故から六年半が過ぎた現在も約三万五千人が福島県外での避難生活を余儀なくされ、茨城県への避難者は約三千五百人に上る。チームの太刀川弘和・筑波大准教授(精神医学)は「二割の人が少しでも自殺を考えるというのは深刻で、引き続き長期的な精神的ケアが必要だ」と話している。

 アンケートは、避難者への支援策を探ろうと、昨年十〜十二月、福島県から茨城県に避難している千四百七十人を対象に調査票を郵送。三百十人から回答があった。

 現在の心理状態を問う質問に67%が「何らかの悩みやストレスを抱えている」と答えた。

 心理状態の変化に関する質問では「震災直後は心の状態が悪かった」が72%で、「現在も心の状態が悪い」が42%と回復がみられた。しかし「最近三十日以内に自殺したいと思ったことがある」は20%に上った。

 専用の評価尺度を用いて回答を分析した結果、39%の回答者にPTSDの疑いがあった。

 太刀川さんは「時間がたつにつれて徐々に心の状態が回復する人が増える一方で、現在もさまざまな精神症状に苦しむ被災者がいることを忘れてはいけない」と指摘している。

 

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