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【社会】

「ひきこもり」高齢化に危機感 21都府県が独自調査

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 仕事や学校に行かず、家族以外とほとんど交流しない「ひきこもり」について、全都道府県の四割超の二十一都府県が独自に実態把握に乗り出していることが、共同通信のアンケートで分かった。地域の民生委員らへの聞き取りが中心で、四十歳以上が過半数を占める自治体もあり、「長期化・高年齢化」への危機感がうかがえる。

 内閣府は昨年九月、サンプル調査に基づき、十五〜三十九歳のひきこもりが全国で約五十四万人に上るとの推計を公表した。自治体の把握人数より多いが、四十歳以上は対象外で、実態を十分に反映していないとの指摘が出ている。

 アンケートは今年六〜九月、全都道府県にひきこもりについての把握状況を尋ねた。山梨、佐賀など十八都県は独自に調査または把握済みと回答。京都、大阪の二府は調査中で、沖縄は九月中に調査を始めるとした。

 人数を回答したのは愛知、兵庫など十二都県で計約三万六千六百人。このうち四十歳以上も把握しているのは九県で計約三千六百人。茨城、山梨、島根、佐賀、長崎では四十歳以上が三十九歳以下を上回る結果となった。

 調査方法はさまざまで、多くは地域の民生委員や児童委員への聞き取りや、保健所など関係機関への相談件数を基に算出したとみられる。愛知は支援団体を通じて、本人や家族に質問票を渡し、毎日の過ごし方や困っていることなどを尋ねた。

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 調査や日ごろの支援の中で浮かび上がった課題(複数回答)として最も多かったのは「本人の心身の健康」(20・6%)、次いで「本人や家族の経済的困窮」(16・5%)、「地域での孤立」(15・5%)だった。「親の介護」(6・2%)もあった。

 自由記述では「父母の高齢化、死亡で経済的に困窮」(徳島)、「年齢が高いひきこもりの人の居場所が足りない」(島根)などがあった。

 ひきこもりに特化した「ひきこもり地域支援センター」は全都道府県に設置され、昨年度の相談件数は約五万二千件。

<ひきこもり> 内閣府は昨年9月、全国の15〜39歳を無作為抽出した調査で「半年以上にわたり自宅や部屋から出なかったり、趣味の用事や近所のコンビニに出掛けるほかは外出しなかったりする人」が約54万人に上るとの推計結果を公表した。ひきこもり期間は7年以上が約35%と最多。ただ40歳以上は含まれていないため、同居の親に介護が必要となったり、経済的に困窮したりする実情が十分に反映されていないとの指摘がある。2015年4月施行の生活困窮者自立支援法では自治体に相談窓口が設置され、ひきこもりの人も支援対象となっている。

 

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