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【社会】

ひかりの輪、観察取り消し オウムから分派「別団体」

 オウム真理教の元幹部上祐史浩(じょうゆうふみひろ)氏(54)が設立した「ひかりの輪」が、教祖麻原彰晃(しょうこう)死刑囚(62)=本名松本智津夫(ちづお)=の影響下にはないとして、団体規制法に基づく観察処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁(林俊之裁判長)は二十五日、請求を認めて処分を取り消した。麻原死刑囚への帰依を深めるアレフ(オウムから改称)とは別団体だと判断した。

 観察処分は過去に無差別大量殺人を実行した団体が対象。立ち入り検査をしたり、資産の報告を義務付けたりし、三年ごとに更新されてきた。来年一月の更新期限に向けた公安調査庁の請求手続きに影響が出そうだ。

 公安審査委員会は二〇〇〇年にオウムの観察処分を決定。公安審は一五年一月、オウムの後継団体とされるアレフと、〇七年に分派したひかりの輪を一体とみなして五回目の処分更新を決めた。

 林裁判長は判決理由で、ひかりの輪が設立時に制定した「基本理念」で麻原死刑囚への絶対的な帰依を否定していることなどから「むしろ帰依を深めているアレフと性格が相当に異なる」と指摘。一五年の更新決定時に両団体の幹部の間で何らかの連絡や指示があったとは言えず「一つの団体とは認められない」と結論付けた。

 アレフも処分の取り消しを求めていたが、林裁判長は棄却した。公安庁によると、国内のアレフの信者は約千五百人で、ひかりの輪は約百五十人という。

◆許されたわけではない

<オウム事件に詳しいジャーナリスト江川紹子さんの話> アレフに比べてひかりの輪は規模も小さく、かつてのようなテロを起こす力量はないとの判断が判決の背景にあるのではないか。麻原彰晃死刑囚への帰依を鮮明にしているアレフに対し、ひかりの輪は一応決別を宣言しているので、差をつけることには意味がある。ただ、これで過去の事件の責任が完全に許されたわけではない。今後も被害者への賠償を続け、自発的に情報公開するべきだ。

<観察処分> 公安調査庁はオウム真理教の活動を規制するため1999年に施行された団体規制法に基づき、アレフとひかりの輪を監視下に置いてきた。財産、役職員・構成員の氏名や住所などの報告が義務付けられ、公安調査官による施設の立ち入り検査も受ける。処分期間は最長3年。更新の可否は公安審査委員会が公安庁長官の請求を受けて審査し、判断する。過去に5回更新された。公安庁は両団体を事実上一体とみなし、2009年の処分更新時以降、アレフから分裂したひかりの輪も対象になってきた。

 

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