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【社会】

シェルター3割未満 全国49火山 進まぬ噴石対策

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 国が指定する火山災害警戒地域にある全国四十九火山のうち、噴石から身を守るシェルターや補強済み避難小屋といった施設が設置されているのは十六火山で約三割にとどまることが、共同通信が各火山の防災協議会に実施したアンケートで分かった。未設置の理由は「財政難」が目立った。

 二〇一四年の御嶽山(おんたけさん)噴火から二十七日で三年。多数の登山者が噴石で犠牲となった教訓から、内閣府は翌一五年十二月にシェルターなどの充実化の手引をまとめるなどして設置を促してきたが、安全対策はまだ道半ばだ。

 手引では、十センチ以下の噴石に耐えられる厚さ約二十センチ以上のコンクリート製シェルターの設置や、防弾チョッキにも使われる「アラミド繊維」で山小屋を補強することなどが有効だとしている。

 アンケートは九月上旬までに各協議会の事務局自治体などに実施した。

 回答によると、火口周辺などにコンクリート製などのシェルターがあるのは浅間山(群馬・長野県)や桜島(鹿児島県)などの十三火山で、補強済み避難小屋のみがあるのは雲仙岳(長崎県)など三火山。そうした施設がなかったのは岩木山(青森県)など二十七火山で、うち約半数に未補強の避難小屋などがあった。

 新島(東京都)など六火山は、一般用登山道がなく安全対策の優先度が低いなどの理由で、設置しない方向だという。

 箱根山(神奈川県)では一五年の小規模噴火後、仮設シェルターを設置しており「突発的な噴火に備えた」と担当者は話す。

 未設置の火山では「建設費も維持費も高額」などと財政負担の大きさに悩む例があった。「国立公園内にあり、環境省との調整が難しい」との声も。一方、秋田焼山(秋田県)や那須岳(福島・栃木県)では一七年度中にも避難小屋の補強が完了する予定という。

 内閣府の担当者は「避難計画などが未策定で、シェルターなどの設置まで手が回らない自治体もあるようだ。現場の声も聞き支援策を考えたい」としている。

 

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