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【社会】

小池代表新党 二足のわらじ 揺れる都政

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 東京都知事と国政政党「希望の党」の代表−。二つの要職の兼務を宣言した小池百合子知事に、26日の都議会で苦言や注文が相次いだ。小池氏の「二足のわらじ」には都職員からも、都政運営への悪影響を懸念する声が上がった。 (榊原智康、内田淳二、木原育子)

■すきま風

 二十六日の都議会の代表質問で、公明党の谷村孝彦都議は「都政を踏み台にして、他の狙いがあるかのような報道がなされていることは非常に残念」と指摘。「初心に立ち返り、都民のためにしっかりと汗を流していくことを強く希望する」と懸念を示した。

 公明は今夏の都議選後、小池氏が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」とともに小池氏の支持勢力となった。仮に反対に回れば、小池氏支持勢力は過半数を失う。公明の山口那津男代表も二十六日の会見で「二足のわらじがつとまるほど生易しくない」とけん制した。

 一方の小池氏は二十五日のテレビ番組で、衆院選後の首相指名選挙での投票先について「山口那津男さんがいいと思う」と発言。その真意を巡り、臆測が広がった。複数の公明関係者は「都民ファとの選挙協力は、小池氏の都政専念が大前提だった」「国政に首を突っ込むなと求めていた」と明かし、「うちとけんかをしたくないとのメッセージでは」と推測した。

■五輪は大丈夫?

 「東京への愛情が感じられない。知事の思いが今、この瞬間も別のところにあるのではとの懸念が拭い去れない」。代表質問で強い批判を展開したのが自民党の秋田一郎幹事長。小池氏が都議選直前に都民ファの代表に就き、勝利後にあっさり辞任したことを踏まえ、自民内からは「また同じパターンになるのでは」との皮肉も聞かれた。

 都政への懸念は都職員の間でもくすぶる。国と協力して進める二〇二〇年東京五輪・パラリンピック、都が来年提案しようとする受動喫煙防止条例などへの影響は出ないのか。ある都幹部は「公明が離れて都民ファが少数与党になったら、議案が無条件に通る状況ではない。都政運営が難しくなるのは間違いない」。

 小池氏は豊洲市場(江東区)への移転問題などで外部顧問の意見を重視し、その手法には「密室政治」との批判がつきまとってきた。別の都幹部は、小池氏の力が国政に多く割かれることで「顧問の力がより強まりかねない」と恐れた。

■過去の兼務は…

 知事と党代表の兼務は過去に例がある。「正直いって大変でした」。原発事故後の一二年の衆院選で「日本未来の党」の代表に就いた嘉田由紀子・前滋賀県知事は振り返る。

 県議会は兼務解消を求める決議案を賛成多数で可決。県庁に登庁しなかった日の知事給与を返すよう求める住民監査請求も起きた。嘉田氏は選挙後に代表を退いたが求心力は陰り、一年半後の知事選出馬を見送った。「首都の知事は四十七都道府県の中で最も忙しいはず。私の苦い経験からしても、五輪も控える中で『都政がおろそかになる』と批判が出るのは当然」

 一方、大阪市長とおおさか維新の会代表を務めた橋下徹氏は一五年の引退会見で兼務を振り返り、「収穫はむちゃくちゃある。(目的達成に必要なのは)最後は政治力だ」と前向きに総括した。

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