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【社会】

世田谷区庁舎再建 前川建築の会館保存 レリーフは新庁舎移設

(上)保存が決まった世田谷区民会館=27日、東京都世田谷区で (下)新庁舎に設置されることが決まった世田谷区第一庁舎のレリーフ

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 近代建築の巨匠・前川国男(一九〇五〜八六年)の代表作で、保存か建て替えかの論争が起きていた東京都世田谷区本庁舎について、区は二十七日、前川が設計した施設のうち、最も古い区民会館(一九五九年築)を歴史的建造物として保存する方針を決めた。一方で隣接する第一庁舎(六〇年築)と第二庁舎(六九年築)は解体し、跡地に新庁舎を建設する。

 六事業者による公募型プロポーザルで、佐藤総合計画の提案を採用した。区は、これをもとに二〇二〇年の着工を目指す。戦後の洋画壇をリードした大沢昌助(しょうすけ)がデザインした第一庁舎ロビーのレリーフは、新庁舎に再び設置する。

 折り紙のような外壁の造形が特徴の区民会館と、第一・第二庁舎は、いずれもコンクリート打ち放しで、現在は開放的な中庭を取り囲むようにレイアウトされている。建築の中心に広場を置いた設計思想は、戦後の公共施設のモデルになったとされる。

 建て替え計画は老朽化を理由に浮上。前川の師事したフランス人建築家ル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館(東京・上野)が昨年七月に世界文化遺産に登録されたこともあり、建築関係者から保存を求める声が高まっていた。

 保坂展人(のぶと)区長は記者会見で「前川建築をできるだけ継承しようと努力した案。これが適正な解だと受け止めている」と述べた。一方、庁舎の全面保存を求めていた区内の建築家黒木実さん(69)は「建築は半分残ったが、空間の継承にはなっていない。より良いものにするため今後も区民参加で考えるのが重要だ」と話した。

 

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