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【社会】

江東86% 大田14% 埋め立て地帰属 都が調停案

江東区と大田区が帰属を主張し、東京都が調停を進めている中央防波堤=7月、本社ヘリ「まなづる」から

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 東京都臨海部の人工島「中央防波堤埋立地」(約五百ヘクタール)の帰属を江東区と大田区が四十年以上争っている問題で、都が任命した自治紛争処理委員は二十九日、全面積の86%を江東区、14%を大田区に帰属させる調停案の原案を、両区に示した。両区が受け入れれば決着となるが、大田区側では内容に反発する声があり、最終的に裁判となる可能性もある。 (梅村武史、神野光伸)

 正式な調停勧告は十月中旬までに提示され、両区は調停内容を受け入れるか否かを回答する。一方でも拒否すれば不調となり、地方自治法に基づいて、裁判に持ち込まれる。

 原案によると、大田区の帰属部分は中央防波堤外側の南西部約七十ヘクタールで、整備が進むコンテナ埠頭(ふとう)予定地が含まれる。二〇二〇年東京五輪・パラリンピックのボート、カヌー、馬術会場はすべて江東区側になる。線引き根拠は、両区の現在の海岸線をそれぞれ等距離延ばして基準としたという。

 中央防波堤は現在も海側へと埋め立てが続いており、新たな埋め立て部分(約四百八十ヘクタール)の帰属は今後に持ち越しとなった。

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 江東区の武田真吾・港湾臨海部対策担当課長は「あくまで内示の段階なので、詳細はコメントできない」と話した。同区ではこれまで、埋め立てのために多くの清掃車が区内を走行。区は、多大な忍耐と犠牲の上にでき上がった土地だとして帰属を主張してきた。

 一方、大田区の松原忠義区長は取材に「合理的な勧告がなされることを強く期待します」とコメント。区関係者からは「区の主張が考慮されていない」「これでは区議会の同意が得られない」との声も出ている。

 都の担当者は「自治体紛争処理委員による調停の最中で、都としては途中経過については一切答えられない」としている。

<中央防波堤埋立地> 1973年に埋め立てが始まり、以前は中央、港、品川、江東、大田の5区が帰属を主張したが、「飛び地」になる中央、港、品川各区は2002年に主張を取り下げた。江東、大田両区は全島帰属を主張して断続的に交渉を続け、昨年3月の大田区長の江東区長訪問がきっかけで協議(都担当者がオブザーバーとして同席)がスタート。9回の話し合いも平行線のまま、今年7月、両区が地方自治法に基づく調停を都に申請した。

 

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