東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

<衆院選>争点埋没 危機感強く 市民ら「リベラル新党期待」

安倍政権に反対の声を上げデモ行進する参加者=1日、東京都新宿区で

写真

 民進党が「希望の党」への合流に突き進む中、民進リベラル系前衆院議員らによる新党結成の模索の動きが出ている。安倍晋三首相と希望代表の小池百合子都知事との対立構図に注目が集まる一方、護憲や安全保障関連法反対の主張の埋没を危惧する市民からは「護憲の受け皿になって」など新党に期待する声が相次いだ。ただ、衆院選公示は間近に迫っており、時間切れを懸念する声も漏れた。(清水祐樹、辻渕智之)

 「希望の党の政策は安倍政権寄り。選挙に向け、リベラル派を吸収する器ができてほしい」

 衆院解散後初の日曜日となった一日。秋晴れの下、東京・新宿駅周辺では、安倍政権反対を訴えるデモ行進が展開された。主催した「新しい未来を求めるデモ実行委員会」の井手実代表(37)は「リベラル新党」への期待感をにじませた。

 国会論戦で安保法反対を打ち出した民進だが、希望との事実上の合流を決定。希望を率いる小池氏は、安保政策や改憲で考え方が合わない民進前職らを排除する方針も示した。これに対し前職らは「憲法や安保法で踏み絵を迫るのは度量が狭い」などと反発。新党への言及も相次いでいる。

 デモに参加した市民団体「未来のための公共」のメンバー、近藤隆太さん(20)は「選挙戦が安倍対小池の構図となり、改憲や安保法制、共謀罪などの是非が埋もれることが一番心配だ」と危ぶむ。「これらの争点による対立軸を示すことが課題。新党ができれば応援したい」と話した。ただ「時間がなく、どこまで影響力を持てるだろうか」との心配も明かした。

 デモの集合場所である公園には「リベラル新党」結成を視野に入れる民進の枝野幸男代表代行が急きょ登場。枝野氏は「民主主義や立憲主義など、安倍政権が壊してきた社会の軸となる基本は守り、戦う」と述べるにとどめ、憲法や安保法には触れなかった。しかし、会場からは「枝野」コールが巻き起こり、新党への期待感をうかがわせた。

 一方、民進を含めた野党共闘を後押ししてきた市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」は、選挙構図の急変を受け、この日都内で予定した街頭集会を中止した。

 市民連合に参加する「安保関連法に反対するママの会」発起人の西郷南海子(みなこ)さん(30)は「野党共闘の枠組みが崩れたのは残念。新党ができた場合の対応も含めて市民連合内で協議を重ねている。誰を応援するかは、各地の市民と候補者との信頼関係が大きいのではないか」と話している。

 一方、市民団体「田園調布九条の会」メンバーの酒井正嘉(まさよし)さん(88)は「安倍首相は戦前回帰を目指す保守反動に映るが、小池氏の安全保障観も大差ない。だからこそ、それに対抗する中道のリベラル勢力は必要。彼らの立候補する選挙区には共産や社民は候補を立てずにすみ分け、共闘の枠組みを守ってほしい」と話した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報