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【社会】

新型ウイルス、不正送金か 被害2億円超 窃盗容疑で男逮捕

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 他人のインターネットバンキング口座から不正送金させた金を引き出したとして警視庁は五日、窃盗疑いで埼玉県川口市西川口二、無職武村維先(いせん)容疑者(31)を逮捕したと発表した。

 逮捕容疑では五月八日、コンピューターウイルスに感染した東京都内の三十代男性のパソコンから不正送金された金融機関の口座から、約八万六千円を引き出したとされる。サイバー犯罪対策課によると、引き出した金で電子マネーのプリペイドカードを購入し、カード番号を犯行グループの上役に伝えていたという。「ボスから指示されて金を受け取っただけ」と容疑を否認している。

 同課は昨年十一月〜今年六月、全国二十四都府県で九十三件、計約二億四千五百万円の過去最大規模の不正送金被害を確認。被害の大半は「DreamBot(ドリームボット)」と呼ばれる新種のウイルスが使われていた。今年上半期の被害額は、全国の不正送金被害の半分近くを占めた。

 いずれも同一グループにより引き出されており、警視庁は六月、金の引き出し役の中国人の男二人を逮捕。送金先は、外国人留学生らから不正に買い取った口座だった。武村容疑者もメンバーの一人で、同課は今回の犯行もドリームボットによるものとみている。

◆ワンタイムパスワード標的

 ドリームボットは、不正防止に有効とされる「ワンタイムパスワード」を狙った新しいタイプのウイルスで、昨年末に初めて確認された。警視庁などは警戒を呼び掛けている。

 このウイルスは、メールの添付ファイルを開くことなどにより感染する。特定のネットバンキングに接続しようとすると、偽の画面が表示される。画面では「セキュリティー上の理由」などとして一分単位など短時間に変わる使い捨ての暗号「ワンタイムパスワード」の入力を求める。利用者が気付かないまま入力すると、一定の金額が犯人側の口座に自動的に不正送金される仕組みになっている。

 ネットセキュリティー大手「トレンドマイクロ」によると、国内でのドリームボットの検出件数は、今年一〜六月で約二万五千件に上る。同社の広報担当者は「心当たりがないメールが届いたら、むやみにファイルを開かないように」と話している。 (神田要一)

 

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