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【社会】

神社本庁を元幹部提訴へ 癒着疑い告発で懲戒「違法」

 神道系最大の宗教法人「神社本庁」(東京都渋谷区、田中恆清(つねきよ)総長)の不動産売却をめぐり、上層部と業者による癒着の疑いを指摘して懲戒処分を受けた元幹部職員二人が「正当な内部告発への報復的な措置であり違法」として近く本庁に処分の無効確認を求める訴えを東京地裁に起こす。 (吉原康和、阿部博行)

 元幹部は懲戒解雇された前総合研究部長(57)と降格・減給処分を受けた前教化広報部長(57)。川崎市内の本庁職員宿舎が新宿区の不動産会社に売却されたことをめぐり、「上層部と社長が知り合いのため相場より安く売却し、本庁に損害を与えた疑いがある」として昨年十二月、真相解明を求める告発文を本庁の役員二人に手渡すなどした。

 新宿区の不動産会社はこの本庁宿舎を二〇一五年十一月に随意契約で一億八千万円で購入すると、二億一千万円で即日転売し三千万円近い利益を得た。その半年後には、転売先の会社と別の会社との間で取引され、本庁の売却額の一・七倍を超える三億一千万円で売買されていた。

 告発文などの内容が神社関係者に知られるようになり、本庁は今年三月、弁護士を交えた調査委員会を発足。調査委は七月、宿舎売却が本庁の評議員会で議決されるなど手続き上の問題はなく「適法」と判断。本庁は八月下旬、元幹部二人を「事実に反した疑惑を唱えて本庁と神社界の信用を失わせ、混乱させた」と懲戒処分にした。

 前総合研究部長は「本庁に内部通報制度がないため役員に告発文を渡して疑惑解明の必要性を訴えた。懲戒処分は納得できない」と話す。

 この問題では調査委設置を提案した副総長が、調査終了後に辞職する異例の展開となった。

 本庁の担当者は取材に「提訴の動きは承知しておらず、顧問弁護士と相談して対応する」とした。

◆同一業者と3件 特例の随意契約

 神社本庁から職員宿舎を購入した東京都新宿区の不動産会社は、五年前にも本庁が所有した港区のマンション一室と中野区の三階建て職員宿舎を随意契約で購入し、即日転売していた。

 本庁の規則は基本財産の処分を競争入札で行い、無理な場合は三者以上の指名競争入札を行うと定める。随意契約は競争入札が不可能な事情があるときや軽微な取引に限られるとする。

 神社本庁関係者によると、同社はビルの一室にあり、社長は本庁を母体とする神道政治連盟の幹部や本庁上層部と交友関係にあるとされる。

 これに加え、川崎の職員宿舎を含めた三件の不動産売買がいずれも随意契約だったため、元幹部らは「神社本庁上層部との癒着の疑いがある」と話している。

 

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