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【社会】

障害者の恋、性 ありのまま 映画主演のリリーさん「気軽に見て」

取材に答える主演のリリー・フランキーさん(左)と作品のモデルになった熊篠慶彦さん=東京都渋谷区で

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 障害があっても恋をするし、好きな相手と結ばれたい−。全国公開中の映画「パーフェクト・レボリューション」(松本准平監督)は、当たり前だが目をそらされがちなテーマをポップに描く。モデルになった熊篠慶彦(くましのよしひこ)さん(47)=川崎市=と、十年来の友人で熊篠さん役を演じた俳優のリリー・フランキーさん(53)は「受け止める社会になって」と思いを語る。 (柏崎智子)

 映画は、身体障害の男性と人格障害の女性が出会い、型破りな恋愛を繰り広げるストーリー。脳性まひで手足が不自由な熊篠さんの経験が基になっている。熊篠さんは「半分ぐらい実話で複雑だが、活動の節目になった」と話す。

 活動とは、身体障害者の性の支援だ。食欲や睡眠欲と同様、恋心や性的欲求も当然ある。しかし「ないものとして無視され、支援や配慮の必要は考えられてこなかった。医療や介護の専門家にとって障害者は福祉を受ける受動的な存在で、能動的な活動の性とは結び付かないのだと思う」。

 二〇〇四年、NPO法人「ノアール」を設立し、体が不自由でもマスターベーションできる補助具の紹介や、好きな人同士で添い寝する介助などの支援を提供。イベントや勉強会も開き、情報発信してきた。活動は、当事者に必ずしも喜ばれるばかりではなかった。生活を支えてくれる介助者や家族との関係が壊れないよう、そんな欲求はないかのようにふるまってきた人も多いからだ。

映画「パーフェクト・レボリューション」の一場面。電動車いすで恋人と疾走する主演のリリー・フランキーさん(左)

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 リリーさんは「社会が架空の『障害者らしさ』を求めるから、演じるしかない」と思いやる。熊篠さんと約十年前に知り合い、活動に協力してきたが「社会の見方は変わらない。メディアも障害者の性というと、地下的に扱うか、障害者風俗など極端な話にしてしまう。もっと普通のことを話しているんだけど」。

 込められた思いは深いが、映画は徹底したエンターテインメント。リリーさんは「気軽に見て。後半には障害の有無なんて気にならなくなっているはず」。TOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)、MOVIX昭島(昭島市)、ユナイテッド・シネマ新座(埼玉県新座市)などで公開中。

 

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