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【社会】

貧困断ち切る「寺子屋食堂」を 元予備校先生、川崎で開設へ

寺子屋食堂の開設準備を進める竹岸章さん=川崎市多摩区で

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 大手予備校を定年退職した男性が、生活が苦しい家庭の子どもに無償で勉強を教え、食事も提供する「寺子屋食堂」を十二月に川崎市多摩区で開設する。子どもの貧困対策として広がる「子ども食堂」と、学習サポートの場を兼ねており、男性は「貧困の連鎖を断ち切る助けになれば」と意欲的だ。 (大平樹)

 男性は横浜市港北区の竹岸章さん(70)。大学卒業後、金融機関勤務を経て六十代まで大手予備校「東進ハイスクール」に勤めた。三十年近く教壇に立つ中で、生活が苦しい家庭の子どもほど、自分の意見をうまく伝えられない傾向があると感じていた。報道などで子どもの貧困と教育格差が深刻化していると知り、寺子屋食堂の開設を決意。運営するNPO法人を三月に立ち上げた。

 食堂は、夜間開放される市施設二カ所を活用。それぞれ週二日、午後五時〜同九時に開く。竹岸さんや知人の退職教員、学生ボランティアらが、小学四年〜高校三年の学習を個別指導する。食事は近くのファミリーレストランから配達される弁当を提供する。

 定員は各二十人程度。半数程度は、生活が苦しい世帯からの参加を見込むが、幅広い層の子どもたちが共に学び合ってほしいとの思いから、それ以外の子どもの参加も受け入れる。

 食費など年間約四百五十万円と見込まれる経費は、寄付や市からの補助金のほか、竹岸さんの私財でまかなう。インターネットで資金を募るクラウドファンディングも行い、当初計画した七十五万円は八月に達成。現在は、オープン後の運営に携わるボランティアスタッフを募っている。

 竹岸さんは「親が必死に働くだけでは子どもが貧困から抜け出すことは難しい。予備校時代のノウハウを生かして、子どもたちの学習意欲を引き出したい」とやる気をみせる。

 寺子屋食堂の説明会は十月十五日午前十時半から、川崎市多摩区登戸の向ケ丘遊園東急ストアで開く。問い合わせは、川崎寺子屋食堂=電044(299)7474=へ。

 

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