東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

「文庫本貸し出しやめて」 文春社長、図書館に呼び掛け

 文芸春秋の松井清人社長は十三日、東京都内で開催された全国図書館大会で「できれば図書館で文庫の貸し出しをやめていただきたい」と呼び掛けた。国内の文庫市場が毎年5%以上縮小する中での発言は、一つの問題提起となりそうだ。

 松井社長は出版業界が主催する分科会に登壇。文芸書が中心の同社で、収益の30%以上を占めるのが文庫だとの実情を明かした上で「良書を刊行し続けて作家を守り、版元の疲弊に歯止めをかけるために必要なのが、文庫の生み出す利益。市場の低迷は、版元にも作家にとっても命取りになりかねない」と訴えた。

 松井社長は、文庫を積極的に貸し出す図書館が増えたと指摘。しかし、売り上げ低迷との関係を示すデータはないと説明した。

 日本図書館協会の森茜(あかね)理事長は「文庫を求める利用者の声もあり、置かないというのは難しい。図書館と出版業界双方で議論をし、読書環境をより良くする方向を考えたい」と述べた。

 図書館と文芸出版を巡っては、二〇一五年に新潮社の幹部が、著者が希望した一部の新刊本の貸し出しを半年や一年程度、猶予するよう図書館側に求める発言をして議論を呼んだ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報