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【社会】

那須雪崩は「予見可能」 危機管理欠如が最大要因

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 栃木県那須町で三月、登山講習会に参加した県立大田原高山岳部の生徒ら八人が雪上歩行訓練中、雪崩に巻き込まれて死亡した事故で、県教育委員会が設けた第三者の検証委員会は十五日、最終報告書を公表した。八人を含む班の引率教員について「斜面を進むに従い雪崩の危険性を認識し得たはずで、予見可能性はあったと考えられる」と指摘。事故の最大要因として、講習会を実施した県高等学校体育連盟登山専門部の「危機管理意識の欠如」を挙げた。

 報告書は、一九五八年から続いた講習会について「伝統行事であることから生じる慣れで、安全確保の検討や責任態勢の整備が不十分だった」と批判。七年前の講習会で雪崩が起きたのに、高体連を管轄する県教委に報告がなかったと指摘した。「低い危機管理意識で実施された講習会を見過ごした」として、県教委の責任にも言及した。

 引率教員は三十年以上の登山歴があり「当初は危険性を認識していなかったとしても、新雪が積もった斜面を隊列で進めば雪崩が起きる危険は認識できた。適切な状況判断に欠けていた」とした。この教員は遺族に「雪崩が起きるとは思わなかった」と説明している。

 麓の本部にいた講習会の責任者は「無線機や携帯電話を身につけず、事故直後に司令塔の役割を全く果たさなかった」と明記した。

 雪崩の原因は、自然発生と人的要因の両方の可能性を否定できないとして明言を避けた。

 再発防止に向け、研修の充実による指導者の資質向上、スポーツ庁への支援要請など七項目を提言。山岳部顧問のなり手が減少し経験の継承が不十分として、外部指導者の活用や国による指南書の作成も求めた。

 

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