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【社会】

がん疑い見落とし死亡 名大病院 50代患者、治療遅れる

 名古屋大病院は十九日、大腸がんの疑いがあると指摘したコンピューター断層撮影(CT)検査の報告書を担当医が約七カ月にわたり確認しなかったため、五十代の男性患者の診断と治療が遅れ、昨年九月に死亡したと発表した。同病院は、過去にもCT検査結果などを見落とした末、患者が死亡する医療ミスを繰り返しており、記者会見した石黒直樹院長は「医療情報が共有されないばかりに患者が死亡する痛ましい事故が起きた」と謝罪した。

 病院によると、男性は二〇一四年一月、全身の倦怠(けんたい)感を訴えて自宅近くの医療機関を受診。高度の貧血が見られたため、名古屋大病院に救急搬送され、胸腹部のCT検査を実施した。CT画像を見た放射線科の医師が「大腸がんの疑いがある」とする画像診断報告書を作成したが、担当医は報告書を読まなかった。症状が治まったため改善したと判断、男性は退院した。

 男性は、同八月に再び倦怠感などを訴え、同病院を受診。その際、大腸がんの疑いを指摘する報告書が作成されていたことに医師らが気付いたが、既に他の臓器にがんが転移していた。抗がん剤などで治療したが効果が出ず、昨年九月に死亡した。同病院が今年二月に設置した外部専門家らによる調査委員会は「病院が(報告書の)確認漏れを防ぐ体制を構築しておらず、追加の検査が行われなかった結果、がんが進行した段階で発見された」と結論付けた。

 

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