東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

「天皇」とは 平成生まれ挑む 日芸の学生12月映画祭

映画学科の古賀太教授(右)と映画祭「映画と天皇」の広報やチラシの配布などについて打ち合わせする日大芸術学部の学生=25日、東京都練馬区で

写真

 天皇をテーマにした作品を集めた映画祭「映画と天皇」がユーロスペース(東京都渋谷区)で十二月九〜十五日に開かれる。天皇陛下の退位を実現する特例法が六月に成立し、年内にも退位日と改元日が確定することを踏まえ、日本大学芸術学部(練馬区)の学生たちが企画した。学生たちは「自分たちが生まれた平成が終わるのを契機に、天皇という存在をタブー視せず、象徴天皇制や日本を考える機会にしたい」と意気込む。 (小松田健一)

 映画祭は、古賀太教授(映画史)のゼミで学ぶ三年生が毎年、自分たちでテーマを決めて開いており、今年で七回目。これまで労働問題や宗教といった社会と密接に関連するテーマを取り上げてきた。今年は陛下の退位決定や秋篠宮家の長女眞子さまの婚約内定など、皇室に関する大きなニュースが続いたのが決め手になった。

 参加する学生は十四人。リーダーの山本麻都香(まどか)さん(21)は六年前、東日本大震災の被災地を見舞われた陛下の姿に共感した。当時は、父の仕事の関係で小中学生時代を過ごしたドイツから帰国した直後。「ドイツでは日本人であることを常に意識していた。天皇とは日本人にとって、どんな存在かを知りたくなった」と話す。

 松川大輔さん(20)は「ぼんやりと考えたこともない『天皇』をテーマとすることに『マジか』と思った。ただ調べるうちに日本史と切り離せない存在と分かり、興味を持った」という。

 上映作品は短編を含めて計十七本。ロシアなど四カ国合作の「太陽」は、第二次世界大戦末期に苦悩する昭和天皇をイッセー尾形さんが演じ、人間としての内面に迫った話題作。昭和天皇の戦争責任に迫る「軍旗はためく下に」など、天皇に批判的な視点で描いた作品も取り上げる。

 古賀教授は「天皇に対するさまざまな考え方がある中、パンフレットの表記一つにも非常に気を使ったが、学生たちが多様な天皇観を知ることにもつながった」と意義を話した。

 期間中、トークショーもあり、作家で元外務省主任分析官の佐藤優さんや一水会元代表の鈴木邦男さん、作家の半藤一利さんらがそれぞれ登壇する。

 前売り券、当日券ともに発売し、全席指定の入れ替え制。トークショーの日程などの問い合わせはユーロスペース=電03(3461)0211=へ。公式サイト「日芸映画祭『映画と天皇』」でも上映日程などを案内している。

◆映画祭の上映作品

「戦ふ兵隊」(1939年)/「日本の悲劇」(46年)=併映

「日本敗れず」(54年)

「孤獨の人」(57年)=ほかに短編2本併映

「明治天皇と日露大戦争」(同)

「拝啓天皇陛下様」(63年)

「日本春歌考」(67年)

「日本のいちばん長い日」(同)

「軍旗はためく下に」(72年)

「ゆきゆきて、神軍」(87年)

「新しい神様」(99年)

「太陽」(2005年)

「天皇と軍隊」(09年)

「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(12年)

「インペリアル 戦争のつくり方」(14年)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報