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【社会】

中央防波堤 大田区、帰属巡り提訴へ 区議会可決 都の調停案拒否

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 東京都臨海部の人工島「中央防波堤埋立地(中防)」の86・2%を江東区に、13・8%を大田区に帰属させるとした都の調停案を巡り、大田区議会は二十九日に臨時会を開き、調停案を拒否し、江東区を相手に境界確定を求めて東京地裁に提訴する議案を、全会一致で可決した。四十年以上続いてきた帰属争いは、法廷の場に持ち込まれることがほぼ確実となった。

 都によると、都内の自治体が帰属を争う訴訟を起こすのは初めて。大田区の松原忠義区長は同日、議会の議決を受けて記者会見し「合理的な調停案という評価ができなかった。司法の場で公正公平かつ合理的な解決をめざす」と述べた。

 大田区は都の調停案を(1)現護岸からの等距離線という前例のない方法で決めた(2)区が主張する「人工島はかつて区民のノリ養殖場だった」との歴史的経緯が考慮されていない−の二点から反発。今後、都知事による裁定の可能性もあるが、大田区議会関係者は「知事裁定が都の調停案と比べ、大田区に有利になることは期待できない」と、否定的な見方を示した。

 都の調停案成立には両区議会の同意が必要で、江東区議会は二十五日に、調停案を受け入れる議案を全会一致で可決した。

 山崎孝明区長は二十九日、「二〇二〇年東京五輪・パラリンピック前の早期解決の大義を投げ捨て、調停案を拒否すると同時に司法判断に委ねる決断に至ったのは極めて遺憾」とコメント。「東京大会の準備・運営や大会後のまちづくりへの影響などが懸念される。まずは都知事による裁定に委ねるべきで、大田区の大局観を失った行為は後世に大きな負担を残すことになりかねない」と指摘した。

<中央防波堤埋立地> 1973年に埋め立てが始まり、以前は中央、港、品川、江東、大田の5区が帰属を主張したが、「飛び地」になる中央、港、品川各区は2002年に取り下げた。江東、大田両区は全島帰属を主張して断続的に交渉を続け、昨年3月の大田区長の江東区長訪問がきっかけで協議(都担当者がオブザーバーとして同席)がスタート。9回の話し合いも平行線のまま、今年7月に両区が地方自治法に基づく調停を都に申請。都は10月に江東区に86.2%、大田区に13.8%を帰属させる調停案を示した。

 

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