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【社会】

タクシー免許緩和検討 警察庁調査研究委 人手不足を解消

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 タクシー業界の人手不足を解消するため、運転手に必要な普通第二種免許の受験資格見直しの可否について、警察庁が有識者による調査研究委員会を設けて検討を始めたことが、同庁への取材で分かった。政府が取り組んでいる規制改革実施計画の一環。本年度内に五回の会議を開き、報告書をまとめる。

 警察庁に受験資格の緩和を要望していた全国ハイヤー・タクシー連合会(東京都千代田区)によると、法人タクシーの運転手数はピークだった二〇〇五年の約三十八万人から一五年は約三十万人にまで減少。警察庁の担当者は「安全が担保されるとの前提の上で制度の在り方を考えたい」としている。

 道交法は、普通第二種免許の受験資格について「二十一歳以上」(年齢要件)で「普通免許保有三年以上」(経験年数要件)と規定。このうち経験年数要件は同法施行令で特例を定めており、各都道府県の公安委員会が指定した旅客自動車教習所で教習を受けると「二年以上」に短縮される。

 工学系の大学名誉教授や教習所の関係者、科学警察研究所の研究官ら十三人で構成する調査研究委は、「二年以上」の特例をさらに短縮できるような教習が可能かどうか検討。連合会側は「一年以上へ短縮されれば、大卒者の採用も進むと考えている」としている。

 本年度の報告書を踏まえ、来年度以降も二種免許の在り方を検討。年齢要件やバスなどの運転に必要な大型二種免許の受験資格も検討課題とするとしている。

 二種免許を巡っては、警察庁は一五年十二月、補聴器を使って試験の聴力検査が受けられるよう道交法施行規則を改正。聴覚障害者には職域拡大の機会となり、人手不足に悩む運輸業界にとっても運転手の増加につながると期待された。

◆若手確保へ業界歓迎

 タクシーの運転に必要な普通第二種免許の受験資格の特例見直しについて、警察庁が検討を始めた。全国の法人タクシーが加盟する全国ハイヤー・タクシー連合会の小菅孝嗣常務理事は「人手不足は業界の共通の悩み。緩和は以前から要望していた」と歓迎するが、実現には安全性の確実な担保が鍵になる。

 連合会によると、タクシー業界は運転手数の減少以外にも、高齢化が懸案となっており、二〇一五年時点で、全国約三十万人いる男性ドライバーの平均年齢は五八・九歳だ。若手の人材確保が急務となっている。

 普通第二種免許は「二十一歳以上」(年齢要件)で、「普通免許の保有三年以上」(経験年数要件)が受験の条件。そのため、各タクシー会社は大卒者を採用しても、普通免許の取得後間もない場合は、すぐには二種免許を受験できないためタクシーに乗務できず、内勤や運行管理の仕事に就かせているという。

 受験資格には特例があり、旅客自動車教習所で一定の教習を受けると、普通免許の保有期間が二年以上に短縮される。

 連合会側は経験年数要件の一年以上への短縮を要望。警察庁の調査研究委員会は、危険性の予測など経験によって培われる能力を教習内容のさらなる充実で補うことが可能か検討している。

 小菅常務理事は「若い人材を採用後、なるべく早くタクシーに乗務できるようにしたい」と話している。

<自動車の第2種免許> 各都道府県公安委員会が運転を許可していると証明する運転免許のうち、路線バスやタクシーなど旅客運送が目的の車を運転するために必要な免許。普通第2種や大型第2種など5種類がある。自家用の車やバイクなどを運転するのは「第1種免許」で、普通、準中型、中型、大型、自動二輪など10種類。第1種と第2種の有効期間は違反の有無や年齢によって異なるが、最長で5年。

 

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