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【社会】

青酸殺人 筧被告に死刑 4事件「金銭目当て、悪質」

 青酸化合物を使用した近畿の連続殺人事件で、高齢男性三人の殺人罪と一人の強盗殺人未遂罪に問われた筧(かけひ)千佐子被告(70)の裁判員裁判の判決で、京都地裁は七日、「金銭欲のための犯行で悪質。認知症などを最大限考慮しても死刑を回避するべき事情はない」として求刑通り死刑を言い渡した。弁護側は判決を不服として即日控訴した。

 中川綾子裁判長は四件全てについて青酸化合物を使った被告の犯行と認め、「結果は極めて重大で、六年間で四回も反復して行われ、人の生命を軽視している。謝罪の言葉はほとんどなく真摯(しんし)に反省しているとは言えない」と指摘。最後の事件の二〇一三年十二月時点では認知症にかかっていないとして、責任能力や訴訟能力はあると判断した。

 弁護側は全面的に無罪を主張。目撃証言や物証などの直接証拠に乏しい上、被告は公判前の精神鑑定で認知症と診断され、被告人質問では認否が変遷し、裁判員らは難しい判断を強いられた。

 六月の初公判から判決日までの実審理期間は百三十五日に及び、裁判員裁判としては過去二番目の長さとなった。

 検察側は論告で四事件の共通点として「遺産目当てや借金返済を逃れる目的で青酸化合物を飲ませた」と指摘。「公正証書を作らせるなど周到な準備をした上で、健康食品と偽って青酸化合物を飲ませる手口は巧妙で卑劣だ」と批判した。

 弁護側は被告の認知症が進行しているとして「裁判で自分を守ることの意味を理解できず、訴訟能力がない」と主張。当初病死と診断され、司法解剖されなかった被害者もおり、死因や症状については「病死や、青酸以外の薬物、毒物が使われた可能性がある」としていた。

 判決によると、〇七年から一三年にかけて、京都、大阪、兵庫の夫や内縁関係の男性計三人に青酸化合物を飲ませて殺害。神戸市の知人男性一人を殺害しようとした。

<連続青酸事件> 2013年12月、京都府向日市の無職筧勇夫さん(75)が自宅で死亡し、遺体から青酸化合物が検出された。京都府警は14年11月、殺人容疑で妻の千佐子被告を逮捕。大阪、兵庫、奈良を加えた4府県警合同捜査本部が捜査し、勇夫さんに加え、内縁関係にあった大阪府貝塚市の本田正徳さん(71)、兵庫県伊丹市の日置稔さん(75)に対する殺人罪と、神戸市の知人、末広利明さん(79)=年齢はいずれも死亡当時=の強盗殺人未遂罪で起訴された。

 

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