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【社会】

都職員「医師紹介」と現金受領 派遣せず200万円超 「兼業禁止」違反か

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 東京都福祉保健局に勤める五十代の男性課長補佐が、横浜市青葉区にある民間病院の幹部に医師を紹介すると約束し、二百万円余りを受け取っていたことが、病院関係者らへの取材で分かった。課長補佐も取材に対し経緯を大筋で認めている。その後医師は紹介されず現金も返還されないため、幹部は都に相談。都は、地方公務員法の兼業禁止や職務専念義務などの規定に違反する可能性があるとみて、課長補佐から事情を聴いている。

 東京都内の病院の関係者によると、課長補佐はこの都内の病院にも医師の紹介料名目で現金を請求しており、都が経緯を調べている。横浜の病院幹部は、詐欺の疑いがあるとして警視庁に相談している。

 横浜の病院は一月、整形外科医と、幹部が個人経営していた神奈川県内の診療所の神経内科医をそれぞれ補充しようと計画。経営改善のため一時的に雇い入れていた医療コンサルタントの男性から「人脈が広く、医師紹介の実績がある」との触れ込みで課長補佐を紹介された。

 幹部によると、二月に会った際、課長補佐は「都は近県に医師を派遣する調整をしている」と虚偽の説明をした。幹部は四月から勤務できる医師を二人紹介するよう依頼し、手付金として百三十万円を支払った。三月に残りの経費として約九十万円を課長補佐の口座に振り込んだが、医師は派遣されず、返金要請にも応じてもらえなかったことから、九月に都に相談した。

 都福祉保健局によると、都が医師派遣を調整することはない。同局の石塚宣(たかし)・職員課長は調査を進めていることを明かした上で「仮に事実であれば兼業禁止規定に抵触する。兼業届を出したとしても、医師の紹介業務は認められない」と説明する。

 課長補佐は取材に対し、受け取った現金は二百十三万円だったとした上で「調整はしているが、経営が厳しい病院には誰も行きたがらず難航している」と主張。現金は「紹介しようとした医師に謝礼として支払ったのと、私が交通費などの必要経費に使った。報酬は得ていない」としている。

 課長補佐は、職業安定法に基づく人材紹介業の許可を得ていないが「ボランティアでやっているので許可は必要ない」と釈明する。ただ、厚生労働省によると、報酬を得ていなくても具体的な無許可のあっせん行為があれば同法違反に問われる可能性がある。

 病院と診療所は医師不足と資金難から既に閉鎖し、現在は別の医療法人が運営。幹部は「人材紹介業者に頼むと半年かかることもあるため、課長補佐を頼った。医師が見つかれば運営は継続できた」と話した。

 

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