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【社会】

てるみくらぶ社長逮捕 融資金2億円詐取疑い

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 経営破綻した格安旅行会社「てるみくらぶ」(東京都渋谷区)が、メインバンクだった三井住友銀行に虚偽の決算書を提出し約二億円の融資金をだまし取ったとして、警視庁は八日、詐欺などの疑いで、てるみくらぶ社長の山田千賀子(67)=東京都町田市南成瀬一、元経理担当社員、笹井利幸(36)=埼玉県春日部市粕壁東六=の両容疑者を逮捕した。

 捜査二課によると、二人とも容疑をおおむね認めている。

 同社は、全国から申し込んだ八万〜九万人の旅行代金計約九十九億円の負債を抱えたまま、今年三月に破綻した。大勢の顧客が旅行ができなくなるなど混乱した。

 逮捕容疑では、三井住友銀に虚偽の決算書で経営状態が良いと誤信させ、昨年六月下旬〜九月中旬、うその航空機チャーター費などの名目で約二億円をだまし取ったとされる。二課によると、金は別の費用の支払いなどに充てられ、返済されていない。

 同社の破産管財人が債権者集会で説明した内容によると、同社は二〇一三年から売上高の水増しなどの粉飾決算を繰り返し、実際は赤字なのに黒字に見せかけていた。

 昨年九月期の純損益は五十億五千二百万円の赤字だったが、税務申告書では四千八百万円の黒字と計上していた。

 同社は一九九八年十二月に設立。九九年二月に旅行業の登録を受け、インターネット上で格安旅行を販売し、業績を拡大した。一二年ごろから価格競争の激化などで経営が悪化。今年三月に突然休業を表明し、東京地裁に破産を申し立て、現在手続き中。

◆利用客「弁済への影響心配」

 詐欺などの容疑で警視庁に逮捕された山田千賀子容疑者。最大で全国約九万人から旅行代金を集めた辣腕(らつわん)経営者の面影はなく、うつむき、憔悴(しょうすい)した様子で渋谷署に入った。

 署の前には、早朝から約四十人の報道陣が集まった。午前十時二十分ごろ、山田容疑者らを乗せたワゴン車が到着すると、一斉にカメラのフラッシュを浴びせた。山田容疑者は三列目の座席に座り、眼鏡とマスクを着用。視線をじっと下に向けたままだった。

 六日の債権者集会では、数百人の出席者らを前に「だますつもりはなかった」と釈明に追われた山田容疑者。債権額が確定しておらず、返金額が少なくなる見通しを説明すると、多数の出席者が怒りをあらわに。山田容疑者は体を震わせながら、必死で謝罪の言葉を繰り返していたという。

 代金を支払っていた旅行客は弁済手続きへの影響に不安を漏らす。

 横浜市保土ケ谷区に住む俳優の男性(64)は四月下旬からのハワイへのツアーに昨年十一月に申し込み、約三十万円を支払ったが、同社が経営破綻。夫婦で毎年楽しみにしている旅行のため、別の会社が実施する同額のツアーに申し込んだ。

 男性は「お金が戻ってくるのが一番いいが、社長の責任が明確になれば、一つの気持ちの区切りにはなる」と話し「業界全体でこのようなことが二度とないようにしてほしい」とした。

 夫婦でハワイへのツアーに申し込んでいた横浜市鶴見区に住む不動産会社経営の男性(57)は「社長がいなくなってしまうと、現在進んでいる弁済金の手続きなどに影響が出ないか心配だ」と不安そうに話した。

 <てるみくらぶ> 1998年12月に設立された旅行会社。航空機の余った座席を航空会社から安く仕入れる手法で業績拡大を続けたが、過剰な広告経費などがかさみ、次第に経営状態が悪化。東京地裁は今年3月27日、破産手続きの開始を決定した。4月の新卒採用で約50人に出していた内定も取り消しとなり、批判を浴びた。

 

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