東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

危険ドラッグ 「サイトいくつあるのか」

 「いまだ乱用は続いている。潜在化して見えないだけ」。二〇一四年の規制強化で街頭店舗が消えた危険ドラッグが、ネットに「潜る」かたちで社会にまん延している。店舗が主流だったころより取引の実態はつかみにくく、規制を逃れようとする業者とのいたちごっこの状態だ。

 「話題の合法ハーブや合法ドラッグを何処(どこ)よりも早くご紹介!」「国内で規制されている商品は一切販売しておりません」。厚生労働省麻薬取締部が九月に摘発したネット業界最大手とみられる業者のサイトには、「合法」を強調した文句が並ぶ。しかし、同部が実際に入手した商品からは違法成分が検出された。

 厚労省はこうした違法なネット販売をチェックし、一五年十二月〜今年八月末に、三百三サイトの運営者やプロバイダー(接続業者)などに削除要請し、二百四十七サイトを閉鎖や販売停止に追い込んだ。

 一方、誰が立ち上げたのか分からず、運営者と連絡の取れないサイトや、規制を逃れるためサーバーを海外に移す業者もいるという。厚労省の担当者は「実際にいくつサイトがあるのか把握しようがない。サイトが新たに出たり消えたりで、鬼ごっこのような状態だ」と頭を悩ます。

 麻薬取締部によると、世界では百カ国近くで危険ドラッグが流通し、米国や東欧では違法性の高いドラッグの主流になっている。中国などでは指定薬物が製造され、新たな商品がネットを通じて世界中に拡散。匿名性の高い仮想通貨で決済するなど販売形態も巧妙化している。

 同部の幹部は「運営者にたどり着くのが難しくなっている。海外送金ルートもあり、組織壊滅には国際機関の連携強化が必要だ」と話す。

◆乱用者治療しなくては撲滅できない

<京都大大学院の金子周司教授(薬理学)の話> 今回のような大量押収を見ると、危険ドラッグの乱用が、インターネットでの取引を通じ、ばれないように続いていることが分かる。危険ドラッグの流通は依存者がいる限り永遠に続く。販売ルートを取り締まるだけでなく、乱用者に治療を施さなくては撲滅はできない。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報