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【社会】

危険ドラッグ 依然まん延 店舗なくなりネット売買横行

危険ドラッグが製造されていた住宅=10月30日、川崎市内で

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 規制強化で街頭店舗が消えインターネット販売に移行したとされる危険ドラッグの摘発が、昨年は約八百七十件とピークだった二〇一五年の八割近い高い水準にあることが、警察庁などの調べで分かった。依然として盛んに取引されている実態が浮かび、捜査関係者は「店舗がなくなっても危険ドラッグは世に出回っている。一過性のブームでなく、覚醒剤のように常習者が増えている」と警戒する。

 厚生労働省麻薬取締部は今年九月、川崎市内にあった国内最大手のネット販売業者の製造工場を摘発。危険ドラッグの原料となる違法薬物やハーブ類など、過去最大規模の約一・八トンを押収した。同部は医薬品医療機器法違反(所持、販売など)の疑いで、東京都世田谷区の無職岩村学容疑者(50)ら男女八人を逮捕し、このうち製造密売の責任者だった岩村容疑者ら六人を九日に送検した。

 危険ドラッグは、一四年六月にJR池袋駅近くで乱用者の車が暴走して七人が死傷した事故などをきっかけに、規制強化が進んだ。全国で一斉取り締まりなどが行われ、一五年は、交通事故などを含めた危険ドラッグに絡む事件の摘発は千百件に上った。全国で約二百あった店頭販売はこの年の夏ごろまでに姿を消した。

 その後、ネット販売に移行したが、摘発件数は昨年は全国で八百六十四件、今年上半期も三百五十七件と前年とほぼ同じペースで、高止まりしている。

 麻薬取締部が摘発した製造工場は、川崎市内の住宅街の木造二階建てで、製造に使う大型機械などがあった。同部によると、押収した原料は違法な指定薬物約十五種類や幻覚作用のある植物、大麻種子などで、製品化すれば小売りで約五十二万袋分、総額約三十億円相当になるという。

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 この業者は別の業者を介して海外などから原料薬物を仕入れ、ネット上の販売サイトで「合法」をうたって広く宣伝。全国に約五千人の顧客を抱え、支払いには匿名性の高い仮想通貨「ビットコイン」や海外送金サービスを使っていた。

<危険ドラッグ> 大麻や覚醒剤などに似た成分の化学物質を植物片や液体に混ぜた製品。国内では2005年ごろから流通し始め、「合法ハーブ」「お香」「入浴剤」と偽って販売する店が急増。幻覚や興奮作用などで暴れたり、意識を失ったりする健康被害が報告され、14年ごろには乱用者による交通事故や事件が相次ぎ、社会問題化した。厚生労働省は中枢神経に影響する恐れがある有害物質を「指定薬物」と規定。9日現在、2361種あり、所持や輸入、購入や販売などを禁じている。

 

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