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【社会】

投資名目60億円集金か 高齢者標的 6人逮捕

被害者が受け取った借用書や株券

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 化粧品や輸入ワインの販売事業への投資を持ち掛け、高齢者らから多額の現金をだまし取ったとして、警視庁は十五日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで、健康食品販売会社「ロイヤルフーズ」(東京都品川区)の社長原田一弥容疑者(63)と元従業員ら計六人を逮捕した。生活経済課によると、二〇〇七年三月〜一六年八月、首都圏などの約千人から計約六十億三千万円を集めたとみている。

 ほかに逮捕したのは、原田容疑者の元妻でグループ会社社長、小野寺朝子容疑者(68)と元従業員の男女。別の元従業員二人の逮捕状も取っている。

 逮捕容疑では、一三年十二月〜一四年十月、返金能力がないのに、投資をすれば元本保証で利息がもらえるなどとうそを言い、協力金名目で、都内や神奈川県の男女八人から計約一億八千三百万円をだまし取ったとされる。

 同課によると、原田容疑者らは高齢者らに「新規ビジネスの運用金を募集しています。二年で12%の利息を付けます。銀行に預けておくよりも利息がいい」と持ち掛け、一口百万円から投資を勧誘。人気歌手を呼んだパーティーなどで客を集めていたという。

 しかし、利息の未払いや元本が返還されないトラブルが相次ぎ、昨年九月に従業員が警視庁に相談。同課は今年三月、出資法違反容疑でロイヤルフーズなどを家宅捜索した。その後、会社ぐるみで出資金を詐取していた疑いが強まり、組織犯罪処罰法違反容疑に切り替えた。

 同社は一九八八年設立。食料品の販売や輸出入、健康器具の製造販売を手掛けていたが、次第に資金繰りに行き詰まり、預かった金を運転資金に充てる自転車操業を繰り返していたとみられる。

◆「大切なお金許せない」

 原田容疑者らは人気歌手を広告塔にするなどし、事業への出資を募っていた。返金が滞り、訴訟に発展したケースも。被害者の多くは高齢者で、家族からも「大切なお金だった。許せない」と憤りの声が上がる。

 「無添加の食品を差し上げます」。東京都の女性(92)は〇七年春、自宅の郵便受けにあった一枚のチラシを目にした。「無料でもらえるなら」と、都内の集会場や本社で開かれた商品販売のセミナーに参加した。

 会員向けに開かれた年数回のパーティーには約百五十人が集まり、大半は高齢者。ゲストの歌手江木俊夫さんが歌を披露する一方、健康食品の宣伝販売もあり、セットで十万円を超えるロイヤルゼリーなどを購入した。

 一一年四月に「中国の鉱石購入」との名目で出資を持ち掛けられ、「資産運用のために」と百万円を出資。手元の預かり証には「10%のお利息を付けて、ご返金」とあった。

 一五年一月ごろから利息の支払いが滞り始め、同六月に債権者が集められ、二十億円の損失が出たためすぐには返金できないと告げられた。原田容疑者は「詐欺で警察に訴えてもいいが、逮捕されれば返金できなくなる」と開き直ったような態度だったという。

 その後は「融資が遅れている」などと書かれた手紙が何度も送り付けられ、出資金は戻らない。一緒に住む次女(62)は「母が私たちのために残してくれた大切なお金。罪を償ってほしい」と悔しさをにじませた。

 

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