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【社会】

住宅地は金土日のみ 新宿区が初、民泊営業条例案

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 一般の住宅に旅行者を有料で泊める「民泊」を全国的に解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)が来年六月に施行されるのを前に、東京都新宿区は十五日、住居専用地域で月曜から木曜日までの営業を禁止する独自の規制案の骨子をまとめた。騒音など環境の悪化を懸念する住民感情に配慮した内容で、営業が認められる曜日など具体的な規制案をまとめた自治体は全国初。二十九日開会の区議会に関連条例案を提出する。

 新法は、旅館業法に基づいた許可を受けて営業するか、大田区など地域限定で規制緩和された特区に限り認められていた民泊を、年間百八十日を上限に、誰でも、どこでも営業できるようにする。一方で近隣の住環境の悪化などが心配される場合は、自治体の判断で「上乗せ規制」ができる。

 これを受け、新宿区の「民泊事業の適正な運営に関する条例」案には、住居専用地域での規制に加え、民泊営業の届け出七日前までに近隣住民に対し書類で通知することや、苦情の対応記録を作成し三年間保存することなどを定めた。

 都庁や歌舞伎町など、外国人に人気のある観光スポットを抱える新宿区には、二十三区最多の四千件以上の民泊物件があるとされる。多くが許可を得ていない違法民泊。区によると苦情は二〇一五年度から急増し、本年度は十月末時点で、既に昨年度一年間を上回る二百六十件に上っている。

 苦情は、スーツケースを引く騒音、ごみの回収日・分別を守らない−といったものが多く、七〜八割はマンションなど共同住宅。区は昨年十月から住民や有識者らによる検討会議で「都市部の実情に合った民泊ルール」の検討を重ね、区面積の34%を占め、現行法では旅館やホテルが営業できない住居専用地域での規制強化を決めた。

 吉住健一区長は「民泊ビジネスの影で不安やごみ、音の問題が起き、社会問題化してルールをつくらなくちゃいけない。その入り口できちんと日本のルールを理解してもらえるようにしたい」と語った。

◆東京観光人気 各区対策急ぐ

 昨年一月から特区による民泊営業が始まった大田区でも、二十九日開会の区議会に、住居専用地域、工業専用地域、工業地域(合計で区の面積の27%)で、民泊の全面禁止を目指す条例案を提出する構えだ。区の担当者は「近隣住民とのトラブルを抑制してきた実績を踏まえた」と話す。

 上野、浅草の観光地を抱える台東区は、検討会議を九月に設置した。昨年四月には、改正区旅館業法施行条例で、カプセルホテルなどの「簡易宿所」にフロントの設置を義務付け、マンションの空き部屋などでは事実上、民泊が営業できないようにしている。

 民泊仲介大手サイト「エアビーアンドビー」の民泊物件を分析する「エアビーデータバンク」によると、都内の民泊物件は約一万九千件。新宿(約四千百件)、渋谷(約二千二百件)、台東(約千六百件)、豊島(約千四百件)、港(約千三百件)の五区が約半数を占める。 (増井のぞみ)

【新宿区民泊条例案の骨子】

○住居専用地域(区の面積の34%)では、月−木曜日まで民泊営業ができない

○近隣住民に対し書面で民泊営業を周知する

○区は、民泊事業者(家主と管理会社)の名称や連絡先を公表する。ただし個人事業者の場合、プライバシーに配慮する

○宿泊者は、住宅利用に当たって生活環境の悪化を防ぐ責務がある

○民泊事業者は、苦情の対応記録を作成し3年間保存

 

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