東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

ジャパンライフに3回目停止命令 預託商法、高齢者の心つかみ高額契約

 消費者庁は十七日、磁石を埋め込んだネックレスやベルトなど磁気治療器の預託商法などを展開してきた「ジャパンライフ」(東京)に対し、目的を告げずに勧誘したのは特定商取引法に違反するとして、新規勧誘などについて一年間の業務停止を命じた。同社は過去一年間に同法違反などで二回の業務停止命令を受けており、三回目は極めて異例。

 消費者庁によると、ジャパンライフは、商品の営業が目的であるにもかかわらず、「エステやマッサージができる」などと告げて高齢者を店に誘うなどしていた。また、同社が債務超過状態になっていることを故意に告げなかったり、解約を妨害したりした行為も違法と認定した。

 同社はこれまで、購入した磁気治療器を別の顧客にレンタルするオーナーになれば、年6%ほどの収入を得られる「レンタルオーナー契約」という預託商法を展開。消費者庁は昨年十二月、「契約書面に業務や財産状況を適切に記載しなかった」として一部の業務停止三カ月を命令。今年三月には「ネックレスの在庫が契約数より約一万九千個足りないことを顧客に故意に説明しなかった」として一部の業務停止九カ月を命じた。

 同庁によると、会社側は二回目の命令後、レンタルオーナー契約とは異なる「誘引販売契約」を顧客と結び、購入した商品を周囲に宣伝したという理由で年6%の「活動費」を支払う方式の事業を続けた。商品の多くは百万〜六百万円で約二千人が契約。計約百二十億円を売り上げたとみている。

 ジャパンライフの担当者は「誘引販売は八月に終了し、現在は店舗販売のみを行っている。顧問弁護士に相談し、対応を検討したい」と話した。

 消費者庁取引対策課は異例の処分理由について「違反行為があったので厳正に対処した」としている。

 「若い人たちが優しくて、お金を出してあげなきゃと思った」。ジャパンライフの商品を計五百万円分購入したという横浜市の七十代の女性は、高額な契約をした理由をこう振り返った。

 女性は一人暮らし。三月、友人から「ただでエステができる」と誘われ、ジャパンライフの横浜支社を訪れた。エステを受けながら、会社側から「百万円当たり毎月五千円の収入になる。相続税対策にもなる」と持ち掛けられた。

 その後も、高齢者とジャパンライフ側の担当者ら十人程度が集まる「大会」にたびたび呼ばれ、自宅から車で送迎された。会場ではマッサージを受けたり、器具の試着をしたりしながら購入を勧められた。営業手法を「しつこい」と思った一方、「家族があまり来ないので、誰かが来て優しくしてくれるのは本当にうれしかった」と打ち明けた。結局、四百万円の磁気ベルトなどを購入した。

 九月には「活動手当」として口座に五万円が振り込まれたが、契約書が渡されないことなどに不信感を抱き、解約した。

 「ジャパンライフ被害対策中部弁護団」によると、相談者は主に八十代で、会社側に支払った金額は一千万〜一億円。温泉施設に有名演歌歌手を呼んだ公演を開いて高齢者を集めたこともあったという。弁護団が間に入って解約を求めると返金に応じた。しかし、夏ごろからは、分割返金を求めたり、顧客が解約を妨害されたりするなど、簡単に応じないケースを聞くようになった。弁護団は資金繰りが悪化したとみている。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報