東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

風の吹くまま葛飾柴又 重要文化的景観に選定へ

 もし何かあったら訪ねて来(き)な−。寅(とら)さんがそう誘ってくれそうな東京・葛飾柴又。その町並みが十七日、国の重要文化的景観に選定するよう答申されました。人気映画「男はつらいよ」の舞台が、「日本の原風景」のお墨付きを得たのです。冷え込んで、下町の人情が温かく染みる季節。寅さんのように風の吹くまま、気の向くまま歩いてみませんか。 (飯田克志)

 対象エリアは約百三十ヘクタール。柴又帝釈天(題経寺)と参道の門前町、周囲の旧家や寺社、江戸川など。

 帝釈天は、江戸時代初期に創建され、後に庚申(こうしん)信仰で参拝客が増えた。境内は釈迦(しゃか)堂などを改造・移築しながら、新しいお堂を建立する独特の造営で整備されている。

 土産物店や、団子店などが軒を連ねる門前町は、参拝客のにぎわいに目をつけた農家が副業として始めた。大正時代以前の建物も残り、伝統的な町並みが観光客を集める。周辺には、かつての農村の様子を伝える旧家や古刹(こさつ)が点在。帝釈天近くを流れる江戸川には「矢切の渡し」がある。都内で唯一の渡し船だ。

 一九二六(大正十五)年に完成した金町浄水場も守るべき景観の一つになった。四一(昭和十六)年、六四年に建設された三角屋根とドーム形屋根の取水塔とともに、都市近郊のインフラ整備の歩みを伝える。

 重要文化的景観は、日本の原風景を開発や荒廃から守るため、二〇〇四年の文化財保護法改正で新設された。葛飾柴又の風景は、地元の葛飾区が七月、文化庁に選定を申請していた。選定されると、開発に一定の規制がかかり、保存活用に国の補助が受けられる。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報