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【社会】

象牙取引、日本を名指し批判 生息4カ国が国際委に議案

 アフリカゾウが生息するケニアなど四カ国が、象牙の取引規制を巡り日本を名指しで批判する議案を十一月末に始まるワシントン条約の常設委員会に提出したことが分かった。米国や中国など各国が、絶滅の懸念から象牙の国内市場を閉鎖する中、取引継続を認める日本が国際的な孤立を深めている。

 ケニア、ブルキナファソ、コンゴ共和国、ニジェールの議案書は「合法性の裏付けが不十分なまま多くの製品が取引されている」と指摘。一方、環境省は「市場は適切に管理されており、日本の取り組み状況を丁寧に説明する」としている。

 条約締約国会議は昨年、象牙目的の密猟によって絶滅する恐れがあるとして、各国に国内市場の閉鎖を求める決議を採択した。議案書によると、米国は取引を原則禁止し、中国も一部の加工場の閉鎖を開始。香港も五年以内の段階的閉鎖を目指す。欧州連合(EU)も全面禁止を含めた検討を進めている。

 日本は今年六月に種の保存法を改正し、規制を強化した一方で「国内の取引は密猟と無関係で、決議の対象外」との立場。これに対し四カ国は、野生生物取引監視団体「トラフィック」が「規制に抜け穴がある」と指摘した点や、警視庁が昨年、無登録象牙の不正取引事件を摘発(その後不起訴)した点を挙げ、「日本の市場には進行中の懸念がある」と表明した。

 議案について、NPO法人「トラ・ゾウ保護基金」事務局長の坂元雅行弁護士は「日本の主張は国際社会の流れに反している。他国から厳しい目で見られるのは当然だ」と説明する。

 常設委はアジアやヨーロッパなど世界の六地域の代表らで構成され、日本もメンバー。約三年に一度の締約国会議の間、条約の運営を担う。

<象牙の取引規制> ワシントン条約は象牙の国際取引を原則禁止している。国内取引については、日本の場合、全形を保った牙は、所有者が「自然環境研究センター」から登録票の発行を受ければ売買できる。印鑑などの象牙製品については、取扱事業者が登録時や5年ごとの更新時に環境省などの審査を受けることを義務付けられている。個人間の売買は規制の対象外。

 

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