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【社会】

オウム観察 更新請求 6回目 公安庁、対象3団体に

 団体規制法に基づくオウム真理教への観察処分が来年一月末で三年の期限を迎えるのを前に、公安調査庁の中川清明長官は二十日、処分の更新を公安審査委員会に請求した。請求は二〇一四年以来で六回目。公安審は教団側の意見陳述などを行い、更新の可否を審査する。

 観察処分の対象はこれまで、オウム真理教から改称した「アレフ」と、教団元幹部の上祐史浩(じょうゆうふみひろ)氏(54)が〇七年に設立した「ひかりの輪」だったが、今回の請求では、アレフから分裂した団体も新たに加えた。公安庁は三団体が依然、麻原彰晃(しょうこう)死刑囚(62)=本名松本智津夫(ちづお)=の強い影響下にあるとして、「引き続き、活動状況を継続して明らかにする必要がある」と判断した。

 ひかりの輪については東京地裁が今年九月、「基本理念」で麻原死刑囚に対する絶対的帰依(きえ)を否定しているなどとして、更新を取り消す判決を言い渡し、国が控訴している。

 公安庁は「外形上、麻原死刑囚の影響力を払拭(ふっしょく)したように装っているが、教義など根本的な部分を維持している」と、従来の主張を変えずに請求。更新が決まっても、裁判で国の敗訴が確定すれば無効になる。

 公安庁によると、三団体の国内の信者は計約千六百五十人で、十五都道府県に計三十四の関連施設がある。観察処分では、公安庁による施設への立ち入りができるほか、団体に対して財産や構成員の報告を義務付けている。

◆「麻原死刑囚への帰依鮮明」 アレフ分派団体 公安警戒強める

 オウム真理教の後継団体とされる「アレフ」内での対立から、新たに約三十人の団体が分派し、活動を始めている。自称する名前はまだないが、金沢市と東京都武蔵野市に拠点を置いており、公安調査庁は「麻原死刑囚を前面に出した活動を展開している」と警戒を強め、今回の観察処分更新請求の対象にした。

 公安庁によると二〇一三年末ごろ、アレフ内で主導権を巡る意見の対立が起きたという。金沢市でアレフの中心的存在だった女性は、対立の中で長期修行入りを命じられたが、一五年一月に無断で修行を打ち切り、同調した人たちとアレフと距離を置き始めた。

 この女性らによる新たな団体について、公安庁は「麻原死刑囚への絶対的帰依を強調する活動方針を鮮明にしている」と主張。「セミナーを開くなど、教義を広めるために新規の構成員を獲得する意思を示している」と警戒の必要性を訴えた。

<オウム真理教> 1984年、麻原彰晃死刑囚が東京でヨガサークルとして「オウム神仙の会」を設立。87年にオウム真理教に改称し、2年後に宗教法人の認証を受けた。89年に坂本堤弁護士一家殺害事件、94年に松本サリン事件、95年に地下鉄サリン事件などを起こし、これまで13人の死刑が確定。一連の事件で国は6500人以上の被害者を確認した。

 

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