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【社会】

カブトムシの角は エアバッグ方式 脱皮で一気に伸びる謎 解明

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 雄のカブトムシの大きな角は、幼虫からさなぎになる際に、小さく折り畳まれた袋状の組織を広げるだけでできることを、名古屋大大学院の後藤寛貴特任助教らのグループが突き止め、英科学誌電子版に発表した。 (小椋由紀子)

 グループによると、雄の角は幼虫からさなぎに脱皮する二時間弱の間に一気に伸びる。幼虫の頭には、角のもとになる「角原基(つのげんき)」と呼ばれるしわくちゃの袋状の組織があることがこれまで知られていたが、短時間で大きくなるメカニズムは分かっていなかった。

 実験では、袋状の組織にカブトムシの体液を人為的に一分間で注入しても角はできたことから、細胞の増殖によるものという仮説は否定された。さらに、角原基をホルマリンに漬けて細胞を正常に働かなくしても角は形成されたことから、細胞の変形などによるものではないことも確認できた。

 そこで、本物の角原基をスキャンしてコンピューター上にバーチャル角原基をつくり、シミュレーションで広げてみたところ、角原基の表面が伸び縮みしないように設定しても正常な角ができることが判明した。

 こうした結果、角は細胞増殖などで成長するのではなく、複雑に折り畳まれた状態から展開するという単純な仕組みだったことが分かった。広がる際は、角に体液が流れ込み、エアバッグが膨らむように一気に形成されるという。

 クワガタのあごなど、他の昆虫でも同じことが起きていると予想されることから、後藤助教は「昆虫全般の脱皮を介した成長メカニズムの解明につながる。折り畳みのしわパターンを形成する遺伝子の仕組みも明らかにしたい」と話す。

 

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