東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

自民議員が14市議へ現金 衆院選前、大阪の選挙区内

神谷昇衆院議員

写真

 自民党の神谷(かみたに)昇衆院議員(比例近畿)が衆院選前の九月下旬に自身の選挙区内の大阪府和泉市と岸和田市の市議十四人に現金計約二百十万円を配っていたことが二十四日、分かった。神谷氏が同日、報道陣の取材に事実関係を認めた。既に市議側から全額の返金を受けたという。専門家は公選法が禁じる買収行為に当たる可能性を指摘している。

 神谷氏は「(各市議の)後援会に政治活動費の趣旨で渡した寄付行為だった」と説明。政治資金規正法や公選法に抵触する可能性について「法にのっとった行為。(法違反に)当たらないと考えている。買収なども全く考えていない」とした。

 神谷氏によると、神谷氏と秘書は九月下旬、「政治活動費」の趣旨で和泉市議十一人と岸和田市議三人に現金入りの封筒を配布。自民党と自民系の市議七人に各約二十万円、その他の市議七人に各約十万円の総額約二百十万円で、封筒に自身が代表を務める「自民党大阪府第十八選挙区支部」の宛名の領収書を入れていた。和泉市議には市議会の控室などで配ったという。

 約二百十万円の原資は、自民党本部から大阪府第十八選挙区支部に提供された千五百万円の一部だったとし「車に乗る、電話をかける、チラシを配る」といった政治活動に充ててもらうためだったとした。

 現金を受け取ったと認めた和泉市議は取材に対し「(衆院選前という)時期が時期だけに怖くなり、全て返した」と述べた。神谷氏は、時期が衆院選の直前だったことに関し「反省している」としている。

 また別の和泉市議は、各市議が演説会を開き、神谷氏が話す場を設けるよう頼まれたと証言。これに対し、神谷氏は「個々に申し上げた記憶はない」と否定した。

 神谷氏は大阪府泉大津市の元市長。二〇一四年に衆院選に自民党公認で出馬し、比例復活で初当選。今年十月の衆院選でも比例復活で当選した。

◆買収の可能性高い

<上脇博之・神戸学院大教授の話> 現金を渡された複数の市議がすぐに返金した理由は、もらった側が「違法」と認識したからだ。後援会の活動費名目としても、選挙前に候補者が現金を渡せば応援を求めたとみなされ、公選法で禁じる買収行為にあたる可能性が高い。公選法ではすぐに返金しても買収の申し込みにあたり、時間が経過してから返金した市議については、買収の既遂とみなされるだろう。複数人の証言がある今回のケースは珍しく、しっかりと立件して適正化に努めてほしい。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報