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【社会】

木造船 日本海沿岸に漂着相次ぐ 正恩氏の指示背景?

秋田県由利本荘市の「本荘マリーナ」付近に漂着した木造船=24日

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 青森や秋田など日本海沿岸で今月に入り、北朝鮮漁船とみられる木造船の漂着が相次いでいる。国際社会の経済制裁が強まる中、北朝鮮は、「冬季漁業戦闘」と称し、国を挙げて漁業に力を入れており、冬場の悪天候にもかかわらず、老朽化した船による無理な違法操業を繰り返していることが背景にあるとみられる。(北京・城内康伸)

 秋田県由利本荘市では二十三日に木造船が漂着。北朝鮮から来た男性八人が保護された。十五日には日本海の大和堆付近の海上で小型船が転覆し、海上保安庁が男性三人を救助。二十七日には同県男鹿市に漂着した木造船内から、八人の遺体が見つかり、北朝鮮製とみられるたばこの箱もあった。山形や新潟各県などでも木造船が漂着している。

 海上保安庁によると、朝鮮半島からの漂着船とみられる木造船は、二〇一三年に八十件、一四年から一六年までは毎年四十五〜六十六件発見されてきた。今年は十一月二十二日の時点で四十三件となっている。

 北朝鮮は慢性的な食料不足解消のため、国策として漁業を奨励する。七日の朝鮮中央通信によると、北朝鮮は閣議で「今年の水産物生産計画を超過して遂行する」との方針を確認。

 同日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は社説で「敵対勢力の策動が極度に達した今日、漁船は祖国と人民を守る軍艦、魚は砲弾も同じだ」と強調。制裁の影響による食料不足に備えた漁獲量の増大に向け積極的な出漁を呼びかけている。

 「豊漁をもたらし、人民の食卓に海の香りが漂うようにすべきだ」。内閣などの機関紙・民主朝鮮は十六日、金正恩(キムジョンウン)労働党委員長の発言を紹介。北朝鮮では正恩氏の指示は絶対的な命令だ。

 経済的疲弊が進む北朝鮮では多くの漁船が老朽化。原油取引などを制限する国連安全保障理事会の決議で燃料不足も深まりつつある。

 韓国情報機関・国家情報院が昨年七月に明らかにしたところによると、外貨不足に悩む北朝鮮は、中国漁船に北朝鮮水域の漁業権を売却している。

 北朝鮮消息筋は「近海での漁業が困難になった漁業従事者は、命がけで遠洋での操業を余儀なくされている」と指摘している。

 

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