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【社会】

高校生防災士 頼むぞ 災害時、救助は?避難所は?

 東京都教育委員会が、全国的に珍しい高校生の「防災士」の養成に昨年度から取り組んでいる。首都直下地震など大災害が発生した際、高校生は避難者支援などの活動を支える貴重な存在となり得るからだ。都内の高校生防災士「第1号」の六人は先月、被災地の福島県を研修で訪れ、防災リーダーとしての自覚を高めた。 (唐沢裕亮)

 「多くの避難者がやってきた。何が必要だと思う?」。十月下旬、福島県いわき市の旅館であった被災地学習。東日本大震災や東京電力福島第一原発事故で避難した子供の心のケアに取り組む福島大の本多環(たまき)特任教授(教育学)が、東京から来た六人に問いかけた。

 学校の体育館が避難所になったという想定。生徒たちは「避難者のスペースを確保する仕切り」「支援物資を配る場所」などと意見を出した。認知症の高齢者やペットがいる場合などの対応についても「動物アレルギーがある人もいるから避難所には入れない」などとそれぞれ考えを述べた。

 「困っているけど言い出せない人の思いを、想像を膨らませながら動くことができる防災士になってほしい」。本多さんが呼び掛けると、高校生らは真剣に聞き入った。

 防災士は、災害時に警察や消防などが到着するまで減災活動の中心となったり、避難所運営などを担ったりする。しかし、比較的自宅に近い場所に通学し、昼間に大災害が起きた際などに、地域を支える役割が期待される高校生らの取得は進んでいないという。

 都教委は二〇一六年度から専門の研修機関と連携し、都立高生を対象に資格取得に必要な講座を実施している。今回の福島での研修は、資格を得た高校生を被災地に派遣し、防災知識をどう生かすか考えてもらおうと初めて企画。六人が参加した。

 同市小名浜の遊休農地を活用した有機綿花畑でのボランティアでは、生徒らが悪戦苦闘しながら綿を手摘みで収穫。その綿を原料に、「3・11」の追悼で使うランプシェードを作った。

 足立工高(足立区)二年の赤星龍之介さんは「東日本大震災の時は何か役に立ちたいという思いがあったけど、行動に移せなかった。高校生になった今だからこそできることもある」と資格を取得した。「将来は教師になって、子どもたちの安全を守りたい」

 農芸高(杉並区)三年の町田あずささんも「研修で得た経験や知識を卒業後の進路でも生かしたい」と決意を新たにした。

 

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