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【社会】

国民と苦楽共に 貫く 天皇陛下退位へ

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 天皇陛下は、六月に退位を実現する特例法が成立して以降も各地を精力的に回り、公務に臨まれている。十一月には、皇后さまと二泊三日で鹿児島県の屋久島や奄美群島を訪れ、噴火災害の被災者を励まし寄り添う機会があった。空路も含め約三千二百キロに及ぶ離島への旅。側近は「国民と苦楽を共にする象徴天皇としての姿勢は、退位まで変わらない」と語る。

 十一月十八日、奄美群島の沖永良部島から鹿児島空港に向かう特別機の中。陛下は窓に額を付けるようにして海上をのぞき込んでいた。側近によると、探していたのは悪石島。太平洋戦争中の一九四四年八月、沖縄から長崎に向かっていた学童疎開船「対馬丸」が、米潜水艦の魚雷攻撃を受けて撃沈された海域だ。

 陛下は戦後七十年の節目に那覇市にある対馬丸の記念館を訪れるなど、亡くなった自身と同世代の子どもたちに心を寄せてきた。今回はあいにく雲が厚く目視できなかったが、宮内庁幹部は「犠牲者を悼むお気持ちだったはずだ」と語る。

 これに先立つ十六日には、二〇一五年五月の噴火災害で被災した鹿児島県の口永良部島の住民と屋久島で懇談し、苦労を慰めた。被災地訪問と戦没者への深い思い。陛下が皇后さまと共に力を入れてきた象徴としての活動は、八十歳を超えた今も続いている。

 退位まで一年を切っている来年六月、両陛下は全国植樹祭の式典臨席のため福島県を訪問。宮内庁は、東日本大震災からの復興状況を視察する機会を設ける方針だ。同庁幹部は「最後の一年でも、これまでと同じ気持ちで臨まれるのが陛下だ」と明かした。

 

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