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【社会】

被災者見舞う姿 「象徴」の集大成 川島前侍従長に聞く

 天皇陛下は即位以来二十九年、国と国民統合の象徴として新たな時代の歴史を刻んでこられた。陛下の側近トップの侍従長を二〇〇七年から一五年まで務めた川島裕(ゆたか)さん(75)は本紙のインタビューに応じ、一一年三月の東日本大震災の時に陛下が皇后さまと共に被災者を見舞った姿が象徴天皇の集大成となったとし、「象徴天皇の在り方を具体的に定義づけた」と語った。

 陛下は〇九年、結婚五十年に当たっての会見で「象徴とはどうあるべきかということはいつも私の念頭を離れず、その望ましい在り方を求めて今日に至っています」と述べるなど、象徴天皇像を模索していた。川島さんは「象徴を言葉で定義づけるのはなじまず、日々なさっていることの積み重ねだった」とする。

 陛下は震災の発生から五日後、被災者の苦難に思いを寄せたビデオメッセージを公表した。七週連続で被災地や避難所を訪問し、被災者一人一人と言葉を交わした。現地の救援、復旧活動に影響が及ばないようにとの配慮から全て日帰りの強行日程で、移動に自衛隊ヘリコプターを使うこともあった。

 川島さんはその全てに同行し、心を込めて被災者と向き合う姿を間近に見た。「具体的な政治決定権者だったら、ああいうしみじみと心にしみるようなことはできない。決定権者をひとつ超えた存在が人の幸せ、平和を願うことの良さを実感した」と話した。 (吉原康和、小松田健一)

 

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