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【社会】

引っ越し品損傷、従業員が賠償 アートが制度廃止 天引きで訴訟

「アートコーポレーション」の元従業員の給与明細。引越事故賠償金として約11万円を引かれ、支給額がマイナスとなっている

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 引っ越し大手の「アートコーポレーション」(大阪市)が引っ越し作業中に物品や建物が損傷した際、顧客に支払う賠償金の一部を従業員に負担させていた制度を十月に廃止していたことが三日、同社への取材で分かった。制度を巡っては元従業員らが同意なしに負担金を天引きされたとして、返還を求め同社に訴訟を起こしている。

 従業員に賠償金を負担させる制度は、他の引っ越し会社や運送業界などにもある。同社は事故削減が目的で「従業員に弁償義務を負わせたものではない。有用だが評価の方法を見直し、別の制度を取り入れた」と説明している。

 訴訟の代理人を務める指宿昭一弁護士は「通常の範囲で注意をしていて起きた損害は会社が負うべきだ。同様の制度を設けている全ての引っ越し会社が廃止する必要がある」と指摘した。

 同社によると、制度は賠償すべき事故があった時、正社員やリーダー格のアルバイトは一件につき三万円を上限に負担。会社はその代わりに、正社員の場合で毎月一万五千円の手当を支給していた。同社は「総額では従業員の負担より手当の方が多く、従業員にもメリットがあった」とする。

 ただ、会社を辞めた元従業員を支援する労働組合「日本労働評議会」(東京)によると、事故が重なったためボーナス前にまとめて約二十万円を給与から天引きされたり、退職時に約十一万円を引かれたりしたケースがあったという。

 「アート引越センター」として知られる同社を巡っては十月、横浜都筑支店(横浜市)に勤めていた元従業員三人が負担金や未払い残業代を含めた計約三百八十万円の支払いを求め、横浜地裁に提訴し係争中。

 

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