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【社会】

戦災遺骨40万体、帰る先なく 本紙調査 国は実態把握せず

堺空襲犠牲者の遺骨が安置されている戦災無縁地蔵尊=8月、堺市で

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 太平洋戦争の空襲や沖縄戦など国内の戦災で犠牲になり、遺族に引き取られていない遺骨が全国三十六カ所に計約四十万体あることが自治体や寺院などへの本紙取材で分かった。六十万〜七十万人とされる国内の戦災犠牲者の半数以上になる。国は海外で軍人の遺骨は収集しているが、民間人の戦災遺骨については寺院や地域任せの実態が明らかになった。 (橋本誠)

 一家全滅や身元不明で引き取り手のない戦災犠牲者の状況を知るため、本紙は「東京大空襲・戦災資料センター」の調査で空襲死者百人以上とされる八十五都市と沖縄県を中心に都道府県や市区町村、寺院などに聞き取り調査を実施。それぞれが管理している遺骨数を積み上げた。沖縄戦など軍民の区別が困難な被災地では、軍人・軍属の遺骨も含まれていた。

 空襲の遺骨は東京都が最多で、墨田区の都慰霊堂と弥勒(みろく)寺に計十万八千五百体を安置。大空襲を受けた大阪、横浜市では市営墓地などに、新潟県長岡市などでは寺院に納められている。神奈川県横須賀市の旧海軍墓地には、茨城県土浦市と愛知県豊川市の海軍施設の空襲死者が埋葬されていた。長崎原爆の遺骨は長崎市の追悼祈念堂(約九千体)、真宗大谷派長崎教務所(一万〜二万体)など三カ所に安置されていた。推定数しかない場所も多い。

 国の唯一の納骨施設は国立沖縄戦没者墓苑(糸満市)で十八万五千二百六十一体が眠る。沖縄県内ではほかに計五カ所の慰霊塔に約千五百体残っていた。

 納骨施設は沖縄の国立墓苑のほか、自治体の墓地や公園が十七カ所、寺院十二カ所、住民・遺族会関連施設五カ所、詳細不明の無縁墓地一カ所の計三十五カ所あった。これまで全容は知られておらず、取材に「把握していない」と答える自治体も多かった。同センターの山辺昌彦主任研究員は「遺族が遺骨をお参りできる施設は大事。国と自治体で全容を把握する調査を急ぐべきだ」と話す。

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