東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

スパコン助成金詐取容疑 4.3億円 ベンチャー社長ら逮捕

ペジーコンピューティング本社が入るビルに家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官=5日、東京都千代田区で

写真

 国立研究開発法人から助成金を不正に受け取ったとして、東京地検特捜部は五日、詐欺の疑いで、スーパーコンピューターの開発を手掛けるベンチャー企業「ペジーコンピューティング」(東京都千代田区)社長の斉藤元章容疑者(49)と元事業開発部長の鈴木大介容疑者(47)を逮捕した。

 逮捕容疑では、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」の二〇一二年度の研究開発費補助金の対象に選定された事業で、一四年二月、事業にかかった費用を水増しした虚偽の実績報告書をNEDOに提出。既に支払っていた分を除いた助成金約四億三千百万円をだまし取ったとされる。特捜部は二人の認否を明らかにしていない。

 ペジー社は、一〇年に設立され、コンピューターのプロセッサー(演算処理装置)やソフトの製造などをしている。同社などが開発したスパコン「暁光(ぎょうこう)」は、今年十一月に発表された世界のスパコン計算速度ランキングで四位を記録。一二〜一三年度に同社がNEDOの助成金を受けて開発したプロセッサーを搭載したスパコンは一四年の国際学会でスパコン消費電力性能ランキングで世界二位になった。

 NEDOによると、ペジー社に対し、一〇年度以降、五件の事業に対して助成金を決定している。逮捕容疑となった事業は、研究開発型ベンチャー企業を対象に研究費の一部を支援している。

 ペジー社が、実績報告書を水増しした結果、助成額の上限となる五億円に近い四億九千九百万円の助成額が決まった。

◆高性能化の旗手

 助成金をだまし取った疑いで東京地検特捜部に逮捕された「ペジーコンピューティング」代表取締役の斉藤元章容疑者は、スパコンの小型化や省エネ化の旗手として知られ、雑誌に「二番では絶対ダメ」と寄稿するなど、技術力の向上に強い意欲を見せていた。

 自身の著書によると、斉藤容疑者は新潟県出身で、新潟大医学部を卒業後、東京大大学院へ進んだ。一九九七年に医療系システムを開発する企業を米シリコンバレーに設立。コンピューター業界の賞を受けるなど評価を得た。東日本大震災を機に「海外での実績と経験を日本の復興に生かすため」帰国した。

 月刊誌「正論」の今年二月号への寄稿では、スパコン開発では中国が最先端を走っており、「スパコンの能力=国力」の時代が到来しつつあると指摘。二年後には他国に先駆けて次世代型スパコンを完成させたいと表明し「そのための資金としては三百億円程度が必要ですので、その手当ても考えなくてはなりません」と記していた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報