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【社会】

NEDO助成、また悪用 スパコン会社詐欺事件 不正受給防げず

 スーパーコンピューター開発企業の幹部らが「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」の助成金約四億三千百万円をだまし取った容疑で逮捕された事件で、NEDOの助成制度を巡っては過去にも不正受給が相次ぎ、逮捕者が出たこともあった。助成対象の研究費に対する検査などで不正防止に努めてきたが、今回も防ぐことはできなかった。

 東京地検特捜部が五日に詐欺容疑で逮捕した「ペジーコンピューティング」社長の斉藤元章容疑者(49)らが助成金を受けていたのは、研究開発資金の調達に苦労するベンチャー企業に対し、先端技術などの実用化に向けた開発を支援する助成制度。同種制度の助成対象となった事業者では、警視庁が二〇一四年、費用を一億五千万円水増しして請求した電子機器開発会社の代表を詐欺容疑で逮捕。一二年にも消耗品や機械装置の領収書を偽造し、一千三百万円を不正受給した団体と代表理事らが補助金適正化法違反容疑で書類送検されるなど不正が目立つ。

 NEDOは事業者向けの資料で、「取引業者と結託して受発注書を偽造」「既に保有していた機械装置を新規製作したように書類を改ざん」などと事例を挙げ、不正行為への注意を呼びかけてきた。不正の未然防止策として、助成先の事業者に対する検査も実施。架空の研究者に対する支払いを防ぐため、証拠書類から研究者の雇用関係などを調べるほか、消耗品が研究期末に不自然に購入されていないかなどを確認している。

 今回の事件で斉藤容疑者らは上限の五億円近くまで助成金を受け取れるよう、事業費用を水増しした疑いが持たれているが、NEDOの防止策では不正を見抜くことができず、関係者によると、検察の捜査で知るところとなったという。

 NEDOを所管する経済産業省の担当者は「助成金によってベンチャー企業が新技術を実用化できる効果がある一方、不正を防ぐことができなかったことは残念だ」と話している。

◆逮捕で放送見送り

 逮捕された斉藤元章容疑者が、十一日放送のNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場する予定だったことが五日、NHKへの取材で分かった。

 NHKは逮捕を受け、斉藤容疑者を取り上げる回の放送の見送りを決めた。同局は「地検の捜査が進められているため」としている。

     ◇

 新潟県の米山隆一知事は五日、斉藤元章容疑者と古くからの友人だったことを明らかにし、ペジーコンピューティング社との関係について「県に特段の契約関係はない」と述べた。

 米山知事によると、最近でもメールで連絡が時折あった。今年六月ごろには、斉藤容疑者から県に何らかのプロジェクトで打診があり検討したが、進展はなかったという。

 逮捕容疑に関し「事実であれば残念。真相究明を待ちたい」と話した。県庁で記者団の取材に応じた。

<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)> 民間の研究開発を促進するなどして、エネルギー問題の解決や産業技術力の強化を目指す経済産業省所管の公的機関。前身の特殊法人は1980年に設立された。民間企業などに対しイノベーションやエネルギー事業関連の助成金などを交付している。

 

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