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【社会】

富岡八幡宮殺傷 弟、姉の宮司襲い自殺か

富岡八幡宮の宮司らが殺傷される事件から一夜明けた現場周辺=8日午前、東京都江東区富岡で

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 東京都江東区の富岡八幡宮とその周辺で七日夜、男女四人が切られるなどして死傷した事件で、警視庁捜査一課は、死亡したのは三人で、八幡宮宮司の富岡長子(ながこ)さん(58)=江東区富岡一=と、いずれも長子さんらを襲ったとされる元宮司で弟の茂永容疑者(56)=住所職業不詳、その妻で三十代とみられる女と発表した。

 同時に襲われた宮司専属運転手の男性(33)は肩から腕にかけて切られたが、意識ははっきりしている。茂永容疑者は長子さんを襲い、女を刺した後、自殺を図ったという。

 一課は殺人などの疑いで、茂永容疑者らを容疑者死亡のまま書類送検する方針。

 一課によると、長子さんと運転手は七日午後八時半ごろ、車で八幡宮に面した道路に到着。長子さんが車から降りると、建物の陰に隠れていた茂永容疑者らが襲いかかり、長子さんの首や胸を日本刀で刺した。現場で、中央部から折れた日本刀が見つかった。

 女は、車から飛び出した運転手を、百メートルほど離れたスーパーマーケットの前まで走って追いかけ、別の日本刀で切り付けた。

 その後、茂永容疑者と女は境内にある長子さん宅前に移り、茂永容疑者が女の腹や胸を刺した後、自分の胸を刺したという。現場には、凶器とみられる日本刀一本とサバイバルナイフ二本が落ちていた。

 長子さんと茂永容疑者は長年、宮司の座を巡ってトラブルが続いていた。

 一課は、事件とトラブルとの関係を調べるとともに、女の身元の特定を急いでいる。

◆宮司職巡り長年トラブル

 富岡八幡宮宮司の富岡長子さんら四人が死傷した事件で、長子さんと、襲ったとされる茂永容疑者との間で、宮司就任を巡って長年続いていたトラブル。警視庁捜査一課は、トラブルが事件に発展した可能性もあるとみて調べている。

 八幡宮関係者や氏子らによると、長子さんの父親の先代宮司が病気療養中の一九九五年三月、茂永容疑者が宮司に就任した。だが、女性問題や浪費癖から、神社の信用を損なったとして解任された。

 父親は宮司に復帰したが、二〇一〇年に引退し、二年後に死去。禰宜(ねぎ)だった長女の長子さんは一〇年十二月から、宮司代務者を務めてきた。しかし、茂永容疑者の交際相手の女性の名前で、長子さんを中傷する怪文書が神社関係者に送り付けられたほか、今年七月には茂永容疑者が、長子さんを批判する電話を数人の氏子にかけ、長子さんを悩ませていたという。

 富岡八幡宮では、氏子代表らで構成する責任役員会が、長子さんの宮司昇進を求める要望書を、今年三月まで四回にわたり、神社本庁(東京)に提出していた。本庁側は「怪文書がばらまかれている。特殊な背後事情がある」などとして昇進を認めなかった。

 責任役員会は「本庁が地元の総意を無視している」と反発し、本庁からの離脱を決定。法的手続きを経て九月末に単立の宗教法人となり、長子さんが宮司に就任したばかりだった。 (阿部博行、加藤健太)

 

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