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【社会】

「おもてなし」は空港から 東京五輪へ成田・羽田、準備着々

成田空港の到着ロビーに張り出された2020年東京五輪・パラリンピックのポスター

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 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックを前に、空の玄関口となる成田、羽田の両空港で選手団の受け入れ準備が進んでいる。円滑な出入国を目指し、選手村での事前チェックインや専用の臨時ターミナル設置が決定。射撃用の銃の審査や、馬術競技の馬の検疫対策も検討している。担当者は「空港での好印象が大会の成功につながる。おもてなしの心で臨む」と意気込んでいる。

 「出発ロビーが人だらけで、とんでもない状況だった」。一六年リオデジャネイロ五輪を視察した日本の空港関係者は、閉会式翌日の同年八月二十二日、通常の約二倍の八万人以上に上る利用客でごった返したリオ市内の空港の様子を振り返った。

 「自分たちはピーク時にどう対処すればいいのだろうか」。身が引き締まったという。

 出入国手続きの円滑化は、国際オリンピック委員会(IOC)も求めており、成田と羽田両空港、航空会社、関係省庁の担当者らは月一回程度の協議を重ねている。

 大会組織委員会は、閉会式後の混雑緩和に向け、選手村での事前チェックインに踏み切った。選手村にカウンターを設け、航空各社の職員が出張して搭乗券を発行。預け入れ荷物も事前に受け取り、一足先に空港に運んで一時保管する。

 成田は専用の保管場所や爆発物検査の実施場所を想定し、羽田でも用地確保が進んでいる。

 組織委によると、東京五輪に参加する選手や関係者は約七万人を見込んでいる。来日選手らの入国時期は分散するが、閉会式が行われるのはお盆の混雑時期と重なる八月九日。閉会式に出席した選手の約七割は翌日に帰国するとされ、空港は大混雑が予想される。

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 混乱を避けようと、空港の整備計画も進む。成田国際空港会社(NAA)は、一二年ロンドン五輪を参考に、選手専用の臨時ターミナルを設置。事前チェックインを終えた選手は、保安検査場まで直行できるようにする。エレベーターの増設やトイレの改修などバリアフリー化も急ぐ方針だ。

 選手の荷物の扱いも悩みの種だ。棒高跳びの棒やサーフボード、パラ競技用の車いすなどは、大きくかさばるため、輸送や検査に時間がかかる。

 千葉県警などによると、射撃のピストルやライフルは警察官が型番や選手の情報などを審査して所持許可証を交付。税関職員と共に銃弾の数もチェックする。

 県警幹部は「厳格な審査は必要だが、選手の負担は減らしたい。安全性と円滑さを両立させたい」と話す。馬術の馬数百頭も貨物機で到着するが、厩舎(きゅうしゃ)への輸送や検疫の態勢をどうするのか、対策はこれからだ。

 組織委の勝谷(しょうや)大輔輸送宿泊部長(41)は「来日した選手にとって、空港は最初と最後の場所でインパクトが大きい。失敗は許されない」と強調。NAAの高須英一郎担当部長(49)は「玄関口としての責任がある。おもてなしの心で取り組みたい」と話している。

 

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