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【社会】

荷受けバイトの個人情報悪用 無断で携帯契約 詐欺容疑

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 届いた荷物を転送するだけで報酬がもらえる「荷受け代行」のアルバイトに応募した人の個人情報を悪用し、勝手に携帯電話を契約したとして、警視庁は十五日、詐欺と私電磁的記録不正作出・同供用などの疑いで、群馬県高崎市問屋町西二、無職小原優作容疑者(38)を逮捕したと発表した。

 サイバー犯罪対策課によると、「スマホを他人名義で購入し、換金していたグループの一員だった」と容疑を認めている。

 同課によると、小原容疑者らのグループはインターネットの掲示板に「自宅でできる事務作業」などと求人を出し、応募した人の氏名や身分証の写真などを悪用。グループは十人前後とみられ、今年三〜五月、首都圏などの約十人の名義でスマホやパソコン、化粧品など約五百九十万円分を購入し、転売していたとみて調べている。

 逮捕容疑では三月、大手携帯電話会社の通販サイトで、東京都内の三十代の主婦名義でスマートフォン一台(約十一万六千円相当)を契約し、自宅に配送させてだまし取ったとされる。

 同課によると、小原容疑者らは応募した主婦と面接し、「荷物を持ち逃げされたら困る」と本人確認として運転免許証の提示を求めた。主婦は約四十個の受け取りを代行。届いた荷物はグループの仲間が出向いて直接受け取り、報酬は一個当たり千円程度だった。

 主婦のもとには五月ごろ、覚えのない大量の請求書が届いたが、小原容疑者らとは連絡が取れなくなり、約百万円を支払った。

◆「手軽な副業」と広まる

 荷受け代行は手軽な副業として、会員制交流サイト(SNS)で主婦や会社員などに広まっている。それに伴い、国民生活センターには、個人情報が悪用されたとの相談が増えている。

 センターによると、求人の書き込みを見て投稿者に連絡すると「電化製品の入った荷物を指定の住所に送るだけ」などと説明される。報酬は一回三千〜五千円程度が多い。「アルバイトを始めるには、運転免許証や健康保険証が必要」として、写真に撮って送るよう求められる。

 自宅に届いた荷物を中身も確かめずに転送するだけで報酬を得られるが、その後に代金の請求書が届き、自分の名義が携帯電話などの購入に使われたことに初めて気付く。センターにはこうした被害に関する相談が二〇一五年十一月ごろから寄せられるようになり、今年十一月までに少なくとも約三百件あった。

 最近では、今回の事件のように、やりとりの痕跡が残ってしまうSNSの利用を避け、直接会って住所や氏名を聞き出す手口も登場。転送先とした住所から居場所を突き止められないよう、届いた荷物を手渡しで受け取ることも多い。

 不正入手した携帯電話はニセ電話詐欺などに悪用される恐れもある。センターは「転送する荷物に薬物や拳銃などが入れられ、犯罪に関わってしまうかもしれない。危険なアルバイトと認識してほしい」と呼び掛けている。 (神田要一)

 

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