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【社会】

「自画撮り」被害防げ 要求段階で処罰 都条例成立

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 子どもが自分の裸を撮影してメールなどで送る「自画撮り」の被害を防ぐため、画像送付を要求した段階で処罰できる東京都青少年健全育成条例の改正案が、十五日の都議会本会議で全会一致で可決、成立した。来年二月一日に全国に先駆けて施行される。

 改正条例では、十八歳未満の子どもをだましたり、脅したりして撮影させた裸の画像などを送るよう求めることを禁止する。違反した場合は三十万円以下の罰金。不当な要求を都内で受けたことが確認できれば、子どもの居住地にかかわらず適用できる。子どもが不当に要求する場合の罰則規定はない。

 「自画撮り」の被害は、全国で摘発される児童ポルノ事件の四割前後を占める。画像が一度流出するとネットを通じて拡散し、子どもの将来にも大きく影響する。だが、児童買春・ポルノ禁止法は画像や映像を入手した時点で処罰対象となり、要求段階では処罰できない。刑法の脅迫罪では立証が難しいケースもあり、現行法では画像などがネット上に拡散する前の摘発に限界があった。

 このため、有識者らでつくる都の協議会が今年二月から、有効な対策を検討していた。同様の条例は兵庫県議会で十四日に成立し、来年四月に施行される。

◇改正された東京都青少年健全育成条例の骨子

・18歳未満に自分のポルノ画像を提供するよう不当に求める行為を禁止

・不当な要求とは、拒まれたにもかかわらず求めたり、脅したり、だましたり、困惑させたり、お金の提供を約束したりすること

・違反すれば30万円以下の罰金

・来年2月1日施行

◆画像拡散の危険 子どもに教えて

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 インターネット上などでの子どものトラブル相談に応じている東京都の窓口「こたエール」には、性的画像などに関する相談が急増している。改正条例による被害防止には限界があり、専門家は安易に画像を送信しないなど、子どもに対する教育の重要性を指摘する。

 「友達になった人に写真を送ったら『かわいいね』と言われ、次に『全身を見せて』と言われた。どうしたらよいか」「ネットで知り合った人に裸の写真を送ってしまった。SNS(会員制交流サイト)に載せるよ、とふざけ半分で言われた」

 こたエールには、子どもたちから、こんな相談が相次いで寄せられている。相談件数全体に占める性的画像などの相談割合は右肩上がりだ。

 情報処理推進機構(IPA)が九月に行った調査でも、SNSで自身の性的な写真や動画を撮影して投稿したことを「問題がある」と認識している割合は、十代で半数程度にとどまった。調査担当者は「送った画像がいったん拡散すると取り返しがつかない。子どもたちにはそのことを分かってほしい」と訴える。

 都の改正条例は、「自画撮り」の画像を受け取る前に、不当な要求をした段階で処罰できる。ネット上のトラブル相談に応じる「全国webカウンセリング協議会」理事長の安川雅史さんは「抑止効果につながる」と評価する一方で、「自画撮りの要求は一対一の関係でやりとりされる。完全に監視するのは難しい」と指摘する。

 「家庭や学校で子どもにネットの安全な使い方を教育することが重要。家庭でも『自画撮り』を話題にして、親子で危険性について考えることが必要だ」と話している。 (唐沢裕亮)

 

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