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【社会】

来日難民にひとときの安心を 東大院生ら、目黒に1カ月の無料宿泊所

モスクで寝泊まりしている男性に無料宿泊所について説明する渡部清花さん=東京都目黒区で

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 難民に住まいのクリスマスプレゼントを−。紛争や政治的な弾圧で母国を離れ、来日した外国人を支援する若者らの団体「WELgee」(ウェルジー、東京)が、難民向けの無料宿泊所を25日をめどに都内に開設する。代表は東京大大学院生の渡部清花(さやか)さん(26)。「難民をいつでも受け入れられる場所をつくりたい」と、長期支援目的の一軒家を購入する計画も進めている。 (松野穂波)

 東京メトロの中目黒駅から徒歩十分。渡部さんに案内してもらった宿泊所は、目黒区の築五十年を超えた民家だった。風呂・トイレ付きの3LDKを借り、ベッドがある個室二部屋を用意。月の家賃九万五千円は、管理人として住み込む渡部さんらウェルジーのメンバー三人で負担し、二、三人の難民を数日〜一カ月間、無料で受け入れる予定だ。

 渡部さんは国連開発計画(UNDP)のインターンとして派遣されるなどして、内部紛争が続くバングラデシュに二〇一三年から約二年間滞在。母国に守られない国民の存在を知った。一五年九月に帰国後、難民問題に関心を抱いた。

 渡部さんによると、日本には約二万人の難民がいるとされる。ほとんどは法務省から難民認定されておらず、昨年は約一万人の申請者に対し、認定されたのはわずか二十八人だった。

 申請中に就労許可を得られる人もいるが、安定した仕事に就くことは難しく、日本人の知り合いがいない場合は家を借りることも困難だ。二十四時間営業のファストフード店で百円のコーヒーを買って一日中過ごす人や、路上生活を余儀なくされる人もいるという。

 ウェルジーは、日本人家庭に難民を数日〜一カ月間受け入れてもらう「難民ホームステイ」にも取り組んでいるが、難民と面談し、五十軒以上の登録家庭から一軒を選ぶには一定の期間が必要。「今日寝る場所がない」と頼って来た人に対応できない課題があり、宿泊所の開設を計画した。

 「ここに住めれば、前向きに人生を頑張れそう」と話すのは、アフリカ圏出身で難民申請中の二十代男性。埼玉県のモスク(礼拝堂)に寝泊まりしている。母国は長期の独裁政権で、父親が野党の要職を務めたため「戻れば命はない」。「日本で幸せになるきっかけが欲しい」と期待を寄せる。

 長期支援のシェアハウスとして新たに購入を目指す一軒家は千葉県大網白里市の空き家で、一〜二人用の個室五部屋がある。購入にはあと二百十万円が必要で、渡部さんはインターネットで広く資金を募るクラウドファンディングを使って二十五日まで資金を募っている。問い合わせは、ウェルジー=電080(3584)1991=へ。

 

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