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【社会】

マンション組合訴訟 理事会でトップ解任可能

 マンション管理組合の理事会は理事長を解任できるのかどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(大谷直人裁判長)は十八日、「解任できる」との初判断を示した。解任は無効とした二審判決を破棄し、審理を福岡高裁に差し戻した。裁判官五人全員一致の意見。全国のマンション管理組合の運用に影響を与えるとみられる。

 理事長選任の手続きを定めたマンションの管理規約に解任に関する規定がなくても、理事会に理事長を解任する権限があるといえるのかが最大の争点だった。

 全国で総戸数約六百三十万戸に上る分譲マンションの管理組合の八割以上が、今回の訴訟のマンションと同様、国土交通省の策定する「標準管理規約」をモデルに管理規約を定めている。だが、解任の規定を設けていないため、最高裁の判断が注目されていた。

 第一小法廷は判決で「理事の過半数の一致で理事長の職を解くことができるとすることが、規約を定めたマンション所有者の合理的意思に合致する」と指摘。管理規約に解任の規定がなくても、理事会は理事長を解任できるとする判断を示した。

 原告は二〇一三年三月、福岡県久留米市にあるマンションの管理組合理事長に選ばれた男性。管理会社を競争入札で決めるべきだと訴えたところ、他の理事らが反発。任期途中の同年十月に開かれた理事会で新たな理事長が選任され、男性は理事長を解任された形となった。男性は一四年十月、解任は無効などとして管理組合などを相手取り提訴。一審福岡地裁久留米支部と二審福岡高裁は、管理規約に解任の規定がないことから「解任は無効」とする判決を言い渡していた。

◆トラブル対応しやすく

 管理組合のトラブルに詳しいマンション管理士の江沼伸一さんの話 「理事会が理事長の職を解くことができる」との解釈は、実務ではほぼ定着している。ただ、裁判で無効とされるケースもあり、今回の最高裁の判断によって現場ではトラブルに対応しやすくなるだろう。

 一方、今回の解釈で解任が頻発すると、組合の運営が法的安定性を欠き、混乱を招きかねない。平穏なマンション暮らしを送るには、住民一人ひとりが管理組合の運営に関心を持ち、マンション自治に関わっていくことが大切だ。

<マンション管理組合> 分譲マンションの建物や敷地、付属施設の共用部分の維持管理を目的に、所有者全員で構成する団体。区分所有法に基づき、少なくとも年一回総会を開き、理事長ら役員の選任や予算案の作成、会計報告などを行うほか、トラブルなどについて話し合う。業務の一部を管理会社に委託するケースが多い。

 

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