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【社会】

大林組が談合申告 リニア工事 4社で受注調整

大成建設本社が入るビルに家宅捜索に入る東京地検の係官ら=東京都新宿区で(山田雄之撮影)

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 リニア中央新幹線工事を巡る不正受注事件で、大手ゼネコン大林組(東京)が、大手ゼネコン四社で受注調整したことを認め、課徴金減免制度に基づき、公正取引委員会(公取委)に違反を自主申告していたことが、関係者への取材で分かった。

 東京地検特捜部と公取委は十九日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、同社本社と大手ゼネコン大成建設本社(東京)を家宅捜索。十八日に鹿島(同)と清水建設(同)を家宅捜索しており、全四社が強制捜査の対象となった。九兆円超の巨大プロジェクトは、大手ゼネコンによる入札談合事件に発展する見通しとなった。

 特捜部と公取委は十九日午前九時二十分ごろ、同容疑で大成建設に家宅捜索に入り、同九時半ごろには大林組に入った。大成建設広報室は「捜索を受けているのは事実。捜査には全面的に協力していく」、大林組は「捜査に全面的に協力していく」とコメントした。

 JR東海によると、四社は契約済み工事の二十二件中、約七割の十五件を受注。各社三〜四件ずつ、ほぼ均等に工事を分け合う形になっている。

 特捜部は八日、大林組が受注した避難施設「名城非常口」(名古屋市)工事の入札で受注調整が行われた疑いがあるとして、偽計業務妨害容疑で同社を家宅捜索。同社副社長を含む四社の幹部らを任意で事情聴取してきた。十八日には鹿島、清水建設の両社を家宅捜索し、事件は一気に業界全体へ波及した。

 品川、名古屋両駅の建設や、南アルプストンネルなどの難工事で受注調整していた疑いがあることが判明しており、特捜部などは家宅捜索で押収した資料を解析するなどし、入札の実態解明を進める。

◆全額免除、告発回避も

 課徴金減免制度は、企業が自ら関与した入札談合について、違反内容を公正取引委員会(公取委)に自主的に申告した場合、課徴金が減免される。二〇〇六年一月施行の改正独占禁止法で導入され、「リーニエンシー制度」とも呼ばれる。

 入札談合の発見や解明を容易にする目的で、早期に申告することで課徴金の減額率が大きくなり、最大五社まで適用される。公取委の調査開始前に申告した最初の社は、課徴金を全額免除されるほか、刑事告発を免れる。二番目は50%、三〜五番目は30%課徴金が減額されるが、刑事告発の免除はない。調査開始後の申告は、最大三社まで30%減額される。

 〇六年の改正独禁法では、課徴金が大幅に引き上げられたほか、公取委が証拠を差し押さえることができる犯則調査権限を導入。これを受け、施行前の〇五年十二月に大手ゼネコンが「談合決別宣言」をした。

 名古屋市発注の地下鉄工事を巡る談合事件(〇七年)では、自主申告したゼネコン一社にリーニエンシー制度を適用し、刑事告発対象から除外した。東日本大震災で被災した高速道路復旧工事を巡る談合事件(一六年)でも適用されている。

 公取委によると、一六年三月末までに千六十二件の申告があり、計二百九十二社に課徴金減免が適用された。(山田祐一郎)

 

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