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【社会】

「僕の経験 反面教師に」 当時19歳死刑囚 16年前、本紙に手記

 死刑が執行された二人のうち、関光彦(てるひこ)死刑囚(44)は犯行当時十九歳一カ月だった。「僕の経験を反面教師として役立ててもらえば」。二〇〇一年十二月に最高裁への上告が棄却され死刑が確定する前、本紙記者に赤裸々な思いをつづった手記を寄せていた。元少年に対する死刑の執行を巡っては、識者の間でも是非が分かれている。

 「元少年の死刑執行についてどう考えるか」「少年法への見解を」

 死刑執行を受け、十九日午前十一時から法務省で会見した上川陽子法相に、元少年に関する質問が集中した。上川法相は「個々の死刑執行の判断に関わることなので、個人的な発言は控えたい」と述べるにとどめ、十八歳未満の死刑執行を禁じる少年法についても「年齢によって枠組みが違うのは事実だが、改正を検討しているところなので、回答は差し控えたい」とした。

 元少年への死刑執行は、連続ピストル射殺事件で一九九七年に執行された永山則夫元死刑囚=当時(48)=以来、二十年ぶりで二人目となった。犯行当時少年だった死刑囚で刑が執行されていないのは愛知、岐阜、大阪で連続リンチ殺人を起こした三人や、山口県光市で母子を殺害した元少年らがいる。

 少年による重大犯罪が後を絶たない中、法務省内では少年法改正の議論が進む。今回執行された関死刑囚も、一家四人を殺害するという残忍な犯行だった。ただ、十六年前に本紙に寄せた手記には、罪に向き合って真摯(しんし)に反省しようとしている姿が垣間見えた。

 「とっとと死んで消えてなくなりたい」「遺族の方々も望んでいるのだから、報復感情を満たしてもらえばいい」としながら、「生きていなければ感じられない苦しみを最後の瞬間まで味わい続けようと決意しました」とつづった。

 手記はこんな言葉で締めくくられていた。「当時の僕と同じように悩み、混乱し、自分を見失った少年たちが、二度と僕のような罪を犯さないために、僕の経験を反面教師として役立ててもらえば、この世に生まれてきたことに少しでも意味があったと言えるかもしれません」 (木原育子、清水祐樹)

 

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